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2006年9月12日 (火)

冬の自然は彩り豊か。  2002年12月26日

いつものように午前中、母を赤羽自然観察公園へ連れて行った。
母は日に日に足取りがしっかりしてきた。
自然の持つ治癒力のおかげだ。母も自然公園に来ると体から力が満ちあふれると話していた。

自然公園は母のようにリハビリで来ている老人が多い。
作られて整備された公園にはない自然の力を誰もが感じているのだろう。高齢化時代に入った今、このような公園は各地に作るべきだ。しかし、担当役人には魅力の少ないシステムである。手入れが少なくてすむ公園は、役人の天下り先になっている造園業者には不向きだからだ。

母が手摺りを伝って歩いている間、私はぼんやりと冬景色を眺めていた。
冬の自然は意外に彩りに溢れている。鮮やかな紅色の鞘に覆われているネコ柳の芽。その鞘が取れて可愛い子猫のようなふわふわの芽が姿を見せると春である。ニガイチゴの茎はプラムそっくりに蝋質の白い粉で覆われた濃紫。ガマの穂は綿毛に変わって雪のように風に舞う。冬の草木は枯れているように見えるが命に溢れている。

日溜まりのベンチに腰掛け、湧水の流れる音を聞いていると、子供の頃を思い出した。
丘の上の冬木立の間に見える黒々と光る炊事棟の屋根は、郷里の焼酎醸造所の瓦屋根に似ていた。その南九州の小さな港町は、流れ着いた私たち家族を暖かく受け入れてくれた。それは戦後間もない、半世紀前の記憶だった。

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