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2006年9月12日 (火)

医療は究極のサービス業。介護用品。 2002年12月3日

母を車椅子で赤羽北整形外科へ連れて行った。
母に気がついた受付スタッフがドアーを開けてくれた。
中へ入ると、他のスタッフが「いらっしゃいませ、こんにちわ。」と出迎えた。
診察を待つ間、母がトイレへ向かうと、すぐに、看護婦さんが来て足元を気遣ってくれた。

私は医療と宗教は究極のサービス業だと思っている。だから、病院スタッフの愛想がいいのはとても嬉しい。病院へ行く者は多かれ少なかれ悩みを抱えている。配慮の無い病院で病以上に傷つきたくはない。

整形外科の帰り、スーパーで買い物をした。私たちがレジを済ますと、次は子連れの母子だった。
「ぼくはね、来年は幼稚園へ行きます。」
その4,5歳の男の子が大きな声でレジのお姉さんへ告げた。
「そう、それはとっても良かったね。」
レジのお姉さんは、笑いながら答えていた。
周囲の大人達も、楽しそうにその様子を見ていた。母子はレジのお姉さんと知り合いではない。男の子は幼稚園生になれるのが嬉しくて、誰かに話したかったようだ。

毎日、私の運動を兼ねて母を車椅子で散歩に連れ出す。母は重いので体力を使う。12月の今も薄着にならないと、汗をかいてしまう。おかげで、窮屈だったジーパンのウエストが2㎝緩くなった。

車椅子で困るのは犬の糞と小さな段差である。大きな段差は早く対処できるが、小さな段差は気付かずにガクンと急停止して母を放り出しそうになる。

犬の糞には失敗した思い出がある。
昔、私がアキレス腱を切って入院した時、こっそり車椅子で夜遊びに出て、夜道で踏んづけてしまった。
病院の駐車場でギブスの片足立ちで車輪を洗ったことを、今も情けなく思い出す。

歩道に置かれた植木鉢や自転車も困る。
最近の公園には車椅子用のトイレが必ずあるが、大抵、便座が汚れているので、トイレクリーナーの携帯は必須だ。

最も困るのは歩道を走る自転車だ。
自転車は音もなく後ろから猛スピードで突っ込んでくる。
その対策に車椅子にバックミラーを付けた。健常者の方は機会があったら、車椅子を経験してみると良い。その辺りの配慮が実になっていないことがよく分かる。

02年12月7日

昨日、歩道の凹凸に気を付けながら車椅子を押したが、小さな穴を見落として前車輪を取られ急停車した。母は大きく前のめりになったが、うまく踏ん張って放り出されずに済んだ。今、思い出してもぞっとする。放り出されていたら、骨折して寝たっきりになってしまったかもしれない。

直ぐに隣町十條にあった介護用品店へ行き、車椅子用シートベルトを買った。
帰宅して、包装を解いて驚いた。フリーサイズと表示されていたのにベルトが短過ぎる。しかも留め具は手芸材料店で200円程で手に入る華奢なプラスチック製。そんな品物が3500円とは高すぎるし、安心して使えない。それで、登山用品店へ安全性の高い素材を買いに出かけることにした。

以前から、福祉介護用品が高すぎると思っている。
母の椅子用に買ったクッションは、普通のスポンジを布カバーで覆っただけなのに5000円もした。後日、スーパーで買った500円のクッションを試したが、座り心地に差はなかった。

午後から新大久保の登山用品店へ安全ベルトの素材を買いに出た。
寒い雨の中、3キロ離れた赤羽駅へ歩いた。
私の前を5.6歳の男の子がお母さんとクマさんの耳付き傘をさして楽しそうに歩いていた。時折、立ち止まり傘のクマさんを首を伸ばして見る仕草が可愛い。すぐに母親にせかされ、再びスキップを踏みながら歩いて行く。母の体調のことを考えて気持ちが沈んでいたので、楽しそうな親子の姿を見て気分が和んだ。

新大久保に着いた頃には雨は更に強く降りつけ、肌寒くなった。
駅側のガード下の小さな空き地で「寒いと我慢できなくて・・・」と、おばあさんがつぶやきながら用をたそうとしていた。私は気が付かないふりをして通り過ぎた。

登山用具のICI石井でチタン製の安全装置付きのカラビナと、頑丈なベルトを買った。これを組み合わせて車椅子用の安全ベルトを作る。僅か3000円の費用で2トンの荷重に耐えられる安全ベルトができる。

時間が余ったのでアメ横へ回った。
イスラエル人のアクセサリー売りが雨の中で「オー寒い」と日本語でぼやいていた。そのような台詞は英語かヘブライ語で言うものだと思っていたので、可笑しかった。アーケードの輸入文房具の店を覗くとウインドウに海外ブランドの万年筆が並んでいた。ブルーや琥珀色の軸が宝石のように美しい。日頃の雑事を忘れて、しばらく見入った。

8時に帰宅した。
カラビナをベルトに繋いで車椅子に装着し、母に試乗させて安全を確認した。これで安心して車椅子の散歩が出来る。
後日、介護関係者に車椅子に何故安全ベルトが標準装備されていないかと聞いた。
「安全ベルトは拘束にあたるので、人権派の弁護士や運動家に糾弾されるからです」と答えていた。安全より自己満足の論理が優先されるとは、どう考えても理解できない。

新大久保駅近くで小用をたそうとしていたおばあさんのことを母に話した。
「そんな時は後ろ向きに立って、笠で隠してあげれば良かったのに」
と母は話した。成る程、男には思いつかなかいことだった。

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