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2006年9月27日 (水)

マルハナバチ、自然の変化。   2003年6月3日

携帯にはメールは入るが相変わらず電話はない。もっとも、こちらから一切連絡しないのだから、次第に疎遠になるのは致し方ないことだ。

先日、高校の同窓会の通知が来たが欠席の返事をした。場所は東中野の日本閣である。名前は和風だが実際は少女趣味のいかにも女性好みの洋館である。
欠席は悪趣味な会場が嫌なのではない。最近、同窓会へ行っても楽しくないからである。私は根っから人間好きなのだが、母の介護をするようになってから違和感を感じるようになった。

これまで30年間、昼寝て夜仕事をする生活をしていた。しかし、母の介護が始まってから普通に朝起きる生活に変わった。太陽と自然は健康にとって大切なものを蘇らせてくれるようだ。母を車椅子に乗せ、3㎞離れた自然公園まで汗を流して押していく。そして、母が歩行訓練している間、私はぼんやりと公園の自然を眺めている。このぼんやりとした時間は30年間ほとんど忘れていた感覚である。私は自然に親しんでいる方だと思っていたが、今思うと思い違いであった。自然を毎日眺め始めてから、日々の自然の変化がこれほど感動的とは知らなかった。
雨に濡れた若葉や、陽光の中を不器用に飛び回っているコロコロ太ったクマの縫いぐるみのようなマルハナバチを眺めていると、生きている実感がする。介護を始めた時、思い付きで自然公園へ母を連れていったのだが、自然がこんなに気持ちを変化させるとは夢にも思わなかった。

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