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2006年9月22日 (金)

桜の花の満開の下にて 。   2003年3月28日

突然のように春になった。先日1,2輪開いていた桜が数日前は5分咲きになり、今日は満開になった。
一昨日開いた辛夷は今日は散り始めている。
散歩の時、カメラを持参しようか迷ったが、止めて桜はしっかりと記憶にとどめることにした。
満開の桜を見上げながら、私は失踪した友人を思い出していた。

友人は歯科医である。20年以上昔のことだが、その彼の医院へある二枚目俳優のマネジャーが尋ねて来た。昔、国際映画賞を取った「切腹」の準主役を演じた良い役者である。
申し出は、金を払えばその役者とのツーショット写真を提供する、とのことだった。よく中小企業の社長室等に飾ってある、有名人とのツーショットのたぐいである。
その役者は数年前、昼メロで寒々しい二枚目役をしていた。しかしその申し出の頃は、映画からもブラウン管からも姿を消していた。友人にとって50万は端金であるが、彼は申し出を断った。私は彼からその話を聞きながら、役者が哀れでならなかった。

その後すぐにバブルが来た。友人は先物取引を次々と成功させて、一時は自家用飛行機を3機所有し、派手に遊んでいた。しかし、バブルが崩壊し、投機の失敗を闇金融で乗り越えようとして傷口を広げた。そして突然、私たちの前から消えた。風の噂では、やくざ管理の歯科医院で勤務医をしているとか、名前を変えて僻地で診療所を開いているとか、色々聞くが真相は分からない。

満開の桜を見上げながら、昔の出来事が脳裏を去来した。満開の桜の下には魔物が棲むと言われているが、あの怪しい美しさが、そのような記憶を蘇らせるのかもしれない。

関連記事--前日の日記「タレント年鑑と美術年鑑 2003年3月26日」

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