崖の上の家 2003年5月20日
母の介護を始めてから人嫌いになってしまった。以前は人好きで三日をあけずに人に会っていた。この変化は介護に時間が取られて忙しいからではない。老人達の時間の流れに馴染んでしまい、普通の人との付き合いがひどく疲れるようになったからである。
若さには傲慢な部分がある。自分もかって若かったから、それはよく分かっている。ある意味で若者には想像力がなく、相手がどのような傷を負っているか推察できない。
だからと言って、厭な世の中になったとは思っていない。時折、母の車椅子の進行を邪魔されたり、後ろから自転車で突っかけられたり、無遠慮にじろじろ観察されたりと不愉快な目に会うことがあるが、それでも良い世の中だと思っている。
不寛容にも鈍感にもなりたくない。人間はとても好きだ。しかし、どうしようもなく人付き合いが厭になってしまった。
今、雷鳴と共に驟雨が来た。春雷は好きである。ここは高層住宅の13階の"崖の上の住まい"である。玄関を開くと激しい雨足に眼下の川面が鈍く光っていた。驟雨は総ての汚濁を洗い流すようで清々しい。
川の名は川越を起点とする新河岸川と言う。我が家の下を流れ行って、岩渕水門辺りから隅田川と名を変えて東京湾に注ぐ。
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