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2006年9月26日 (火)

ソシアルダンスとタンゴ    2003年5月29日

既に初夏。暑い真昼の自然公園は静かである。木陰に母を座らせてぼんやり夏草を見ていると、遠くに消防車のサイレンが聞こえた。暑い日に火事とは、仕事と言え気の毒な事だ。
そんな世俗を忘れさせるように、公園奥の木立からウグイスの声が聞こえた。舌足らずに「ホー、ケキョ」と鳴く、今年生まれの幼い鶯である。
「早く上手になりなさい。」母は楽しそうに聞き入っていた。
 
昨夜のNHK教育趣味悠々はタンゴだった。
とても良かったが、残念ながら昨夜が最終回であった。セピア調のクラシックなスタジオも生演奏も良かった。指導者の服装もシックで、浮世離れした夢の世界であった。

ブエノスアイレスの本場と違い、日本のタンゴとはどこか違う。本場は官能的だが騒々しい。しかし、日本のタンゴは品良く純粋培養され、本場とは異質のものに進化したようだ。番組を見ながら、海の見える横浜の古いスタジオを思い浮かべた。絡む女性の美しい足、情念を秘めた踊り手の緊張感。どれも魅力的だった。

ダンスは以前より絵に描くことが多かった。現皇太子と雅子妃と成婚のおり、ドイツ人作曲家がお祝いに贈った曲が東芝EMIから発売された。その時、CDカバーの依頼が来た。注文は東宮御所らしき庭園でソシアルダンスを踊る二人の図である。間違った絵になって、東芝が右翼に脅されたら大変と思い、正式な形を知人へ習いに行った。彼女は日本選手権へ出場するクラスの人妻である。二人で手を組み、ぐっと体を引き寄せた時の感覚は、今も甘く思い出される。

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