咳止まり枯れ葉舞い落つ石畳 2003年9月24日
秋めいて静かになった。よく考えていたらベランダのガラス戸を閉めた所為だった。ベランダ側の地上には感状8号線が走っている。暖かい半年間はベランダのガラス戸を一日中開け放っているので、いつもその騒音が聞こえていたのである。騒音も慣れると賑やかだが、逆に静かになると心細い。
母の神経ブロック治療は効き目が薄くなり、赤羽自然観察公園では辛そうに歩いていた。更に強い麻酔をしなければならないようだ。これは根本的な治療ではない。そうやって序々に薬を強くして行くうちに寿命が尽きるのだろう。
母の体調は一歩下がっては半歩戻る。肝臓ガンだけではなく加齢の所為もある。入院前の6月と比べるとかなり弱りベットに横になっている時間が長くなった。せき込むことも増え視力も弱った。
緑道公園の桜の葉は散り始めた。ベンチで休憩していると落ち葉の音が聞こえる。落ち葉の音に耳を澄ませることなど、以前はなかったことだ。最近辛い事があると、いつの間にか自然を見つめている。これは安らぐ為と言うより、本能に近い態度かもしれない。
咳止まり枯れ葉舞い落つ石畳
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