母の肝臓ガン 2003年9月6日
今日は駒込病院肝臓内科の担当医と会う。
約束の2時前に病院へ行ったが、延々と待たされて4時にやっと会えた。前の患者さんの病状が深刻で長引いたようだ。母と違い働き盛りの人で、家族の思いを考えるといたしかたない。
母の治療方針は執刀医と内科の担当医とは考えの違いがあった。内科医は体力の回復を優先しているが外科医は速やかに手術を望んでいる。共に合理的理由があり判断に苦しむ。母は積極的に手術を望んでいる。
もし手術となれば、肝臓ガン手術の記録は83歳。母が受ければ高齢者記録は90歳になる。母は最高記録と聞いて単純に喜んで、ズバッと切って下さいと執刀医に頼んでいた。執刀医は駒込病院の副院長。内科医は肝臓内科の部長。共にベテランで信頼出来る。
母は一旦退院して体力を回復させ、10月に再入院が決まった。その時点で可能なら直ちに手術になる。
私も入院していては母の体力回復は望めないと思っている。今の母は自然公園を歩いていた頃の生気からはほど遠い。
「家に帰って、また自然公園へ行こうと。」と話すと母は嬉しそうな顔をした。帰宅したからと言っても、体力が回復するとは限らない。だが少なくとも、母は人らしく生活できる。早起きをして、朝食を食べ、車椅子で緑道公園を行きながら、草花を楽しみ、空を見上げ、顔見知りと会話を交わす。それだけのことが、病室で病人になり切って行くより遥かに素晴らしい。
診察室で母と医師達は陽気に今後のことを話していた。
しかし、会話の内容はとんでもなく深刻である。母は明らかに手遅れなのだが、90の年齢が皆を楽天的にしているようだ。
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