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2006年10月27日 (金)

人は変化する自然に触れていて健康になる   2004年3月14日

いつも緑道公園で出会う80歳程のお婆さんがいた。
「お元気ですか」と母が声をかけるとニコっと笑って会釈する。
無口な人で、声は一度も聞いたことがない。しかし、穏やかな表情から温かい家族に包まれている様子がよく分かった。

その彼女が去年の暮れから見かけなくなった。何かあったのかと案じていたら、1月程前、お嫁さんらしき人に連れられているのに出会った。その人の話では、転んで腕を骨折し、退院してからはデイサービスに通っているようだ。
穏やかだった表情が暗く無表情になつているのが気になった。それから緑道公園を散歩をさせて貰っているお婆さんに何度か出会った。出会う内に、お婆さんの表情は明るくなって、以前の彼女に戻っていた。

デイサービスは素晴らしい制度だが、それだけでは老人は回復しない。
そのお婆さんは自然の中を歩くことで人間らしさを取り戻した。人は何百万年も自然の中を歩き回って生活してきた。折々の季節の自然を目にし、風を肌に感じることで体のシステムが反応するようにできている。空調の整った部屋にいても体のシステムは正常に働かない。人は変化する自然に触れていて健康になれるもののようだ。

毎日、母を車椅子で連れて行っている赤羽自然観察公園でも、始め暗い表情だった老人が、通うにつれ穏やかで明るい表情に変化するのを何度も見ている。
自然は役に立つから大切なのではなく、自然と人間は一体だから大切なのかもしれない。

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