怪我をした鳩 2004年3月18日
午前中、強い雨が降ると予報していたが、雲の間に青空が見え降りそうにない。奥秩父から浅間まで、関東の山々がくっきりと見える。しかし、念のため雨具を持って散歩に出た。
散歩道の桜は一晩で満開になっていた。傷んだ古木の後に植えられた幼木も開花していた。車椅子の母が「幼くて可愛いね」と喜んでいた。古木の花はピンクがかっているが、幼木の花は透明感のある白さである。桜も若木は清楚で美しい。
雨雲の下の赤羽自然観察公園は春らしく、いつもと違った風景に見えた。
時折、小さな雨が落ちるが寒さはなく母は返って気持ちよいと喜んでいた。ヒキガエルの卵は孵って湧水の流れにオタマジャクシが泳いでいた。引率されて遊びに来ていた幼稚園生にオタマジャクシを教えると歓声をあげて覗きこんでいた。
帰り道の緑道公園の桜広場に夫婦者の鳩が住み着いている。帰り、その雄の方が足を痛めて引きずっていた。よちよちと歩いている様は哀れだが、皆、哀れに思うのだろう、雄鳩は優先して餌を貰い、悩んでいるように見えなかった。
昔、ディズニーランドの花壇で遊んでいる鴨たちの中に両足を怪我して歩けない鴨がいた。来園者たちは可哀想に思って、その子へポップコーンを与えていた。人間の世界では自然とは違ったことが起こるようだ。
それにしても、桐ヶ丘の桜は見事である。誰一人眺めることのない静かな路傍で華麗に咲いている。雨は相変わらず落ちたり止んだりであるが、雨具は付けず車椅子を押した。春の通り雨は清々しくて気持ちいい。
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