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2006年10月31日 (火)

桐が丘商店街と風光る季節。04年4月13日

赤羽自然観察公園の帰り、母の介護費用を振り込みに信用金庫へ寄る。信用金庫は都営桐ヶ丘団地の商店街の一角にある。振り込みを済ませた後、久しぶりにその商店街から生協方面へ抜けてみた。

都営桐ヶ丘団地は殆どが老人世帯である。数年ぶりに通る商店街の広場には人影がなく、廃墟のように寂れていた。古い色褪せた商品が雑然と並べられた薄暗い寝具店。客待ち顔にぼんやりと外を見ている雑貨屋の老店主。商店の屋根の上に見える居住地区のベランダの手摺はペンキが剥げ赤錆びている。
私が赤羽に引っ越してきた昭和40年後半頃は、その広場には子ども達の歓声が溢れていたが、今は一人の子供も見かけない。これから日本は何処に辿り着こうとしているのか、その風景は近未来を暗示しているように思えた。

私はふいに広場の片隅に店を出していた老夫婦の屋台を思い出した。70代の老夫婦はお好み焼きを子ども相手に売っていた。剃り上げた頭に捻りはちまきでお好み焼きを焼いていた老人。傍らでかいがいしく手伝っていた老妻。とても商売になっているように見えないが、律儀に人に頼らずに生きて行こうとする老夫婦の気概に心惹かれた。

4月16日

風光る。これ程に今の季節を表現する言葉はない。
ポプラの梢が風に揺れ、若葉がキラキラと光る。この一瞬に生きていて良かったと心底感じる。

赤羽自然観察公園の移築中の農家は、納屋の茅葺き屋根がようやくふき終わった。屋根の四辺を4人の職人さんが担当して刈り込んでいたが、実力の差は明らかで、老職人の刈り込みがすっきりと優美なのに反し、若い職人の刈り込みは、凸凹の仕上がりである。若い職人は気になるらしく、昨日は一人で刈り直しをしていた。

石垣では朝寝坊のメス青蜥蜴が眠そうに日向ぼっこをしていた。蜥蜴は近づいて見ると優しい穏和な顔をしている。丸く太った体にくらべ、小さな紅葉のような手が可愛い。顔馴染みの老人が、先程まで鶯が4,5羽来て、競うように鳴いていたと話していた。

☆左サイドバー写真日記掲載。

4月17日

のんびりと母はデイサービスに出かけた。
送迎車を見送った後、母達が最後の豊かな老人世代になるだろうと思った。食糧難、年金喪失、医療費の全額負担、私の老後に訪れる時代は想像するだけで恐ろしい。政府が手を打ってくれると考えるのは甘く、我々が自ら守るほかない。
友人の一人は定年前に早期退社して農業を始めた。20年前と今を比べた時、食料生産に大きな技術革新は起きていないし、農業後継者も育っていない。すでに巨大な飢餓の闇が口を開き始めているが、殆どの人は気付こうともしない。

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