母との会話 2003年10月20日 月曜日
以前は母と話すことは少なかったが、車椅子で散歩させるようになってから、よく話すようになった。散歩の距離は12,3kmに及ぶので、その間、色々なことを話す。内容は昔の思い出、自然の草木、散歩のペットたちのこと。母はすれ違う人が車椅子の避け方が意地悪とか、優しく気遣ってくれたとか、寸評をする。寸評をするのは母が元気な証拠で、元気が無いと他人に無関心になる。
来年のことは話題にしない。肝臓ガンの母がどうなっているか、予測がつかないからだ。先の話は飛躍して20年後のことになる。それなら私も母もさし障りはない。その頃、私が健在なら80過ぎだが、医療制度悪化のスピードを思うとそれ程は長生き出来ない。母は戦争、戦後と苦労は多かったが、日本の一番良い時代を享受できた世代だ。
人と比べると自然の木々は凄い。20年どころか何百年も生きる。
毎日母を連れて行く赤羽自然観察公園の20年後は鬱蒼と深い森になっていることだろう。母が公園の歩道をソロソロ歩いている間、私は風景を眺めながらそんな未来の姿を想像している。
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