長期入院者は牢名主に似ている 2003年7月27日
朝、玄関ドアを開けると、川朝日に照らされた奥秩父の山塊が清々しく見えた。
梅雨明けは近いようだ。散歩の時も、雲間から強い陽光が射して、蝉が鳴いていた。
母は元気であるが、実際にある肝臓ガンのリスクはこれから更に高まって行く。しかし、母に死への恐怖はあまりない。もし私が母と同じようなガン宣告をうけたら、とてもこのように陽気にしてはいられない。この大雑把さは長寿の恩恵かもしれない。
母は駒込病院病棟の大部屋で楽しげである。大部屋では年長者で病気が重く長期入院患者ほど敬意を表される。それは刑務所に似ている。母は刑務所で言えば前科15犯で重罪の受刑者に相当するのだろう。
大部屋の若い患者は次々と治癒して退院して行き、入れ替わりに新参者がやって来る。おかげで益々、母は牢名主みたいになった。その所為か、母にはとても病院が居心地が良さそうだ。
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