入院前日は霧雨であった。 2003年7月8日
明日は入院。霧雨の中、散歩へ出た。自然公園で餌を撒くと、スズメが沢山集まって来た。明日から当分、餌まきはないことに気づいたのかもしれない。
霧雨に煙る自然公園に人影はなかった。余命が危うくなっている母とは対照的に、自然は命に溢れていた。母は瑞々しい草木を眺めながら「もう一度この風景を見たいね。」とつぶやいた。
帰る頃、風が出た。桐ヶ丘を抜けると、ポプラの梢がザワザワと音をたてていた。
母は80歳を過ぎてから3度大きな手術をしたが、そのいずれにも不安はなかった。しかし、今回は違う。心底、無事に退院できることを祈っている。
午後、買い忘れていた入院用品を薬局へ買いに行った。
帰宅すると、母は肌着や寝間着を並べ、バックに入れていた。その母の後ろ姿が一段と小さくなったように感じた。私は心の中で「頑張れよ。」と母を励ました。
母の留守中にお盆に入る。つい、このあいだに盆提灯を飾ったような気がする。1年が過ぎるのは早い。この1年の、母が腰痛で倒れてからの出来事が走馬灯のように思い出された。
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