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2006年10月11日 (水)

雨の焚き火    2003年9月21日

台風が近づいていて雨である。気温17度、テレビで11月の気温だと言っていた。それでも車椅子押しは暑いのでTシャツにフード付きコートを羽織っただけで出た。しかし、小雨は想像以上に冷たい。体が温まるように車椅子を力一杯押して行くと、赤羽自然観察公園に着く頃にはうっすらと汗をかいていた。

日曜だが雨の公園に人影は少なかった。のんびり押していると、小学生の女の子を連れたお婆さんに会った。母が挨拶をすると、女の子は恥ずかしそうに母に自然公園についての質問をした。小学校で赤羽自然観察公園についてのレポートを書く宿題が出たらしい。
去年の11月から車椅子で来ていること、草や木の自然たちに励まされてとても元気になったこと、母はそんなことを話していた。

管理棟近くにキャンプ用の炊事棟がある。申し込めば誰でも使用できる。炊事場では若い家族が薪でお昼の準備をしていた。雨の中のでも野外炊さんは楽しい。食事が出来るまで、小さな男の子が小さな傘をさして嬉しそうにヨチヨチ歩いていた。傘をさして雨の中を歩く経験は生まれて始めてかもしれない。
寒い雨である。薪の火の近くに家族みんなが集まり楽しそうだった。私は車椅子を止めた。
「竃の火は、暖かくて良いね。」母が呟いた。家族とは本当に良いものだ。

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