雨の焚き火 2003年9月21日
台風が近づいていて雨である。気温17度、テレビで11月の気温だと言っていた。それでも車椅子押しは暑いのでTシャツにフード付きコートを羽織っただけで出た。しかし、小雨は想像以上に冷たい。体が温まるように車椅子を力一杯押して行くと、赤羽自然観察公園に着く頃にはうっすらと汗をかいていた。
日曜だが雨の公園に人影は少なかった。のんびり押していると、小学生の女の子を連れたお婆さんに会った。母が挨拶をすると、女の子は恥ずかしそうに母に自然公園についての質問をした。小学校で赤羽自然観察公園についてのレポートを書く宿題が出たらしい。
去年の11月から車椅子で来ていること、草や木の自然たちに励まされてとても元気になったこと、母はそんなことを話していた。
管理棟近くにキャンプ用の炊事棟がある。申し込めば誰でも使用できる。炊事場では若い家族が薪でお昼の準備をしていた。雨の中のでも野外炊さんは楽しい。食事が出来るまで、小さな男の子が小さな傘をさして嬉しそうにヨチヨチ歩いていた。傘をさして雨の中を歩く経験は生まれて始めてかもしれない。
寒い雨である。薪の火の近くに家族みんなが集まり楽しそうだった。私は車椅子を止めた。
「竃の火は、暖かくて良いね。」母が呟いた。家族とは本当に良いものだ。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- コロナ陽性となって起きる不都合と差別。Go Toトラベルの見直しは非科学的。令和2年11月22日(2020.11.22)
- 新型コロナは蔓延しないと終わらない。終息を急ぐあまり、自殺者とシャッター通りを残す愚策は止めてほしい。令和2年11月14日(2020.11.14)
- 上手な嘘と嘘の見抜き方で、営業・企画・宣伝力強化。冷和2年10月29日(2020.10.29)
- 報道の変化に新型コロナ終息が見えた。人口激増に備えての昆虫食。令和2年10月19日(2020.10.19)
- 今日は10回目の母の命日。令和2年7月1日(2020.07.01)