夢見ることで母は元気になった 2004年2月25日
すっかり暖かくなって、散歩道に沈丁花が馥郁と香っていた。
車椅子を押していると、暖かいのは苦手である。今日は暖かく、背中に汗をかいてしまった。
赤羽自然観察公園の石垣は日射しに暖まっていたが、まだ青蜥蜴たちは眠っていて顔を出さない。温かい石垣にのぼせて、長湯のおじさんのような赤い顔を出すのが楽しみである。
ウグイスカグラがピンク色の可憐な花を咲かせていた。ヨモギは日に日にグングン大きくなっていく。日溜まりでテントウムシが動き回っているのが可愛い。去年は今頃池にオタマジャクシが見られたのだが、今年はまったくいない。季節がグングン変化して行く今の季節は躍動感がある。
2月26日
母が倒れて以来、難題が次々と重なり激動の毎日だった。深刻に考えない生活姿勢を目標にしていたので、傍目には辛そうに見えなかったようだ。しかし現実には、いつも頭上に暗雲がたちこめていた。
それがいつの間にか、暗雲が晴れていた。強くなったのか、鈍感になったのか、判断は難しい。その大きな要因は夢を絶やさなかったからかもしれない。ネバーエンディングストーリーでは「夢見る心」を失うと暗黒の世界がやってくる。それは童話の世界だけではないようだ。
気宇壮大な夢は必要はない。ビデオを借りて楽しみたい、と言ったささやかなことで良い。母が元気になったのは、春まで頑張って土筆や桜を見たい、とささやかなことを夢みたからだ。
そう言えば、散歩道のサクランボの蕾がピンク色を増してきた。試しに去年の写真日記を開いたら、3月12日に初めてテントウムシを見たとあった。今年は2月初めから目撃している。今年の桜は早いかもしれない。
日記は後で読むとその価値が理解できる。
2002年の今頃は絵描き仲間と横浜中華街へ行った。生活の不安はなく、母も元気だった。しかし、今より幸せであったかどうかは分からない。幸せは現実を見つめる心の位置で決まるもののようだ。
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