介護生活とラブストーリー 2004年3月20日
母の介護を始めてから、私はまともなデートをしていない。たまにガールフレンドに会うが、時間に追われ、数時間で別れてしまう。おかげで、女の方も私を誘うのを遠慮するようになった。
しかし、デートしたい気分はなくしていず、時折、女と行きたい場所を空想する。真っ先に思い浮かぶのはディズニーランドだが、その相手は惚れた女ではない。ノー天気な元気な若い女が良い。ランド内に入ったら別々に分かれて、互いに好きなアトラクションに行く。そして、食事や休息の時だけ一緒になる。
映画も音楽会も観劇も作品展へも惚れた女とは行きたくない。
惚れた女とは古い忘れ去られたような街へ行ってみたい。街はできれば港がいい。アルゼンチンのブエノスアイレス、キューバのハバナ、時代から取り残された古い町並みが良い。東京なら銀座の裏通り、横浜なら元町の運河沿いの裏道がいい。もっといいのは鎌倉の古刹の回廊に二人で座って、遠く海を眺めていたい。
白い巨塔が終わった。昔の田宮二郎主演シリーズも欠かさず見ていたが、今回のリメイク版も見応えがあった。最後に財前が死に衣装の教授の白衣姿で運ばれる姿は虚しくて哀れだった。見終わった後、本当のハッピーエンドの姿を考えた。一見、不幸に見えても不幸ではなく、幸せに見えても幸せではない。誠実に生きた結果は総てハッピーエンドではないかと思った。その意味では、財前教授の最期は不幸ではない。
今日、いかりや長介のガン死を報じていた。やはり、ガンは生易しい病気ではない。
比べて、肝臓ガンの母は極めて元気である。それは命のロウソクが燃え尽きる前、一瞬燃え上がるのに似ている。できるならその後、燃え尽きる炎のように静かに逝って欲しい。
来月早々、駒込病院での検診である。何が出ても積極的な治療はしない、だから何を言われても気にしないようにと母に言って置いた。
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