母の車椅子散歩はペットの散歩に似ている 2004年4月8日
外へ出ると、メントールのような清々しい風。肺胞の一つ一つにまで清々しさが行き渡る心地。
散歩道の至る所に山吹が咲いている。赤羽ではソメイヨシノは散り始めたが、これから八重桜が4月末まで咲き続ける。
車椅子になったおかげで、母は一生分の桜を眺められたと喜んでいる。
腰痛で倒れる前の母は足元に気が取られ、桜を見上げるゆとりが無かった。
その点、車椅子は人の歩行速度で音もなく進み、乗り心地も良い。今日、桜並木の盛大な桜吹雪の中を車椅子を行くと、母は子どものように喜んでいた。
今の季節、赤羽自然観察公園には笑顔が満ちている。老人達は知らない同士挨拶を交わす。春は誰をも開放的にするようだ。
明日明後日と母の散歩はない。一人でも私は散歩へ出かけ、顔見知りに出会えばいつものように挨拶はする。しかし、母と一緒の時のように言葉を交わすことはない。
車椅子の母が一緒だと人は言葉をかけやすいようだ。これはペットの散歩に似ている。知らない同士がペットを通じて会話が弾むように、車椅子の母を介して会話が弾む。車椅子に敵意を感じる人はいないようだ。
先の年末年始、母は日に日に弱っていた。大好きなテレビドラマが始まっても母は寝てばかりだった。1時間前の出来事も覚えていず、このまま寝たっきりになるのかと思うとやりきれなかった。しかし今は、電話での対応ができ、一ヶ月の先の予定まで把握出来るまでに回復した。今日も母は、字幕付き洋画を喜んで見ていた。最近母は、フジテレビ深夜放送のアメリカドラマの「24時」に夢中になっている。今夜は「14時〜16時」をオンエアする。母の為に録画するが、私は仕事をしながら3時半まで見る予定だ。
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