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2006年11月 7日 (火)

伝統工法建築はナチュラルカラーで美しい。 2004年6月10日

赤羽自然観察公園に移築中の農家の納屋の壁塗りが、一般参加者を交えて始まった。
まず、割り竹を格子に組んだ内側から藁クズを練り混んだ粘土を塗りつける。内側が乾いたら、外側から同じように壁土を塗りつけ漆喰で仕上げる。
壁がない状態では細い柱がグラグラ揺れていたが、壁塗りが始まると、びくともせず堅牢になった。伝統工法では乏しい材木が実に巧みに使われている。

本来の農家の建築は、専門職は棟梁と僅かな配下のみで、他は地元住民が手伝った。だから工程は簡単で、経験がない一般人でも参加出来る。しかも、その土地にある自然の素材を巧みに使い、耐久性があり、吸湿性や保湿性も優れている。壁土の粘土は田圃の土を、藁は稲わら使った。屋根の茅は、昔は何処の川にでも生えていた。

私は子どもの頃、建築現場で工事を飽かず眺めていた。だから、壁塗りのやり方は良く知っている。リハビリに公園に来ていた老人達も立ち止まり懐かしそうに工事を眺めていた。現代の建築現場と比べると、伝統工法は楽しい。加えて自然素材の壁土の色合いが自然と調和して実に美しい。

自然公園のグミは鳥か人の口に入ってしまい、もう見あたらない。それでも、老人達は立ち止まって見上げている。老人同士、子どもの頃、赤いルビーのようなグミを見つけた時の感動を話していた。
野いちごはまだ残っていて、つまむと豊潤な香りが口に広がった。鬼ぐるみは房状に実を付けている。鬼ぐるみの殻は厚くて細工物にいい。長く使っていると、油が滲んで飴色の艶が出る。我が家には、30年前に八ヶ岳で手に入れた鬼ぐるみが1升程ある。先日、試しに割ってみたら、殆ど劣化はなく、食べることができた。野生の生命は逞しい。

いよいよ暑くなって、老人には過酷な季節になる。老人の多くは、夏を越せぬまま弱って、秋口には顔ぶれが変わる。暑くなったら、母の散歩は管理棟裏の桜並木の日影に変える予定だ。

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