若い頃は終わりが来ることなど考えなかった 2004年6月21日
母はめったに嘆かないが、リンパ節転移があるのかしらと、ぽつりと言った。適当にごまかしたが、肝臓ガンが残っている以上、転移があると考えたがいい。駒込病院の医師もそのことを心配して、7月は3回、精密検査をする。しかし、詳細が分かったとしても、抗癌剤も放射線治療もする気はない。
NHK教育の深夜で再放送していた「アンボリーニへの道」が土曜夜で終了した。始めはのどかな昔の生活を描いていたのが、物語が進むに従って子ども達は次々と成人して、町を巣立っていった。
時間は止まってはくれない。始めがあれば終わりがある。若い頃は始まりばかりが気になって、終りなど眼中になかった。しかし、最近は終わりばかりが気になる。
自然公園の帰り、デイサービスの支払を桐ヶ丘団地の銀行で振り込んだ。そのまま、団地の商店街を抜けたが、数ヶ月前より更にシャッターの閉まったままの店が増えた。いつまでも繁栄しているものなどありえない。
生き生きした話が少ない中、デトロイトに住む元女優さんが、子供が産まれたと写真貼付でメールをくれた。可愛い男の子で、人のことでも命の誕生を聞くとホッとする。
昔の大家族なら、生と死が一つの家の中で繰り広げられていた。
先日、12チャンネルで在宅医療を取り上げていた。その家庭では、末期ガンのお爺さんが息子娘孫達に囲まれて死んだ。祖父の死に接して、小学生の孫は声を上げて泣いていた。この子はきっと、良い大人に成長するだろう。
赤羽自然観察公園の移築中の農家は概要が見えてきた。
昔の家の素材は、曲がった丸太でも巧みに使っている。屋根の骨組みは、今なら廃材にしてしまう細い間伐材の丸太でとても華奢である。しかし、それで数百年は保つのだから、驚く程に設計は巧みである。
角材が使われているのは柱ぐらいで、梁は曲がりのある太い丸太の二面を削ったものだ。それら自然のままの木材では、今の大工には到底手に負えない。
完成は来春で節分や季節毎の伝統行事をやるらしい。それまで、母が元気でいることを願っている。
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