平成狸合戦ぽんぽこと現在の多摩ニュータウンと美少女コンテスト。 2004年8月29日
徳間書店・スタジオジブリ1994年制作「平成狸合戦ぽんぽこ」を見た。
スタジオジブリなので宮崎監督と思い込んでいたが、よく見ると高畠勲監督であった。このアニメは多摩ニュータウンの造成初期に里山を追われる狸たちを面白哀しく描いた傑作である。
多摩ニュータウンは1965年に都市計画が決定し、1971年に第一次入居が始まった。このアニメは60年代後半の開発当時を背景にしている。
人間に負けるに決まっている狸たちの戦いは哀れだが、ユーモラスな体型とポジティブな姿勢が、彼らを逞しく可愛く見せている。
現実の狸たちは追い払われた後、都心に移り住んで、しぶとく生き残っている。私の住む赤羽でも、ふさふさの毛並みの狸を時折目撃する。自然公園に雪の朝行くと、雪面に転々と狸の足跡が残っている。
60年代の人間たちは、バラ色の未来を謳歌していたのに、僅か40年たらずで多摩ニュータウンは高齢化し衰退の一途だ。物語の60年代からタイムマシーンで帰って来たように、今の多摩ニュータウンを知る我々は、複雑な思いに駆られる。
今、少子高齢化でゴーストタウン化しつつある多摩ニュータウンへは、再び都心から狸が移り住んでいるかもしれない。もし続編を作るなら、狸たちが、かって自分たちを追いやった老いて寂しい人間たちを、助けるストーリーになるかもしれない。
人と比べて自然も狸たちもしぶとい。人が余計な手を入れなければ、あっという間に生き返るはずだ。
開発当時を知る我々の世代には、不思議な懐かしさに満ちたアニメだった。つくづく、人は無駄のことばかりしている。
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今朝の母の指はホウセンカで濃オレンジ色に染まっていた。この色は堅牢で爪が伸びきるまで消えない。知らない人が見たら、怪我をしてヨーチンを付けていると間違えてしまう。母は、そのように誤解されると、楽しそうに、ホウセンカで染めたと説明している。
今日は朝から寒い雨。自然公園では早くも紅葉が始まっていた。萩の花が銀色の水滴をまとい、歩道にしなだれている姿に秋の風情を感じる。草むらでは虫の声も聞こえた。
帰宅して昼食を済ませ、TVのチャンネルをあちこち替えているとマラソンが映った。
・・・トップはアフリカ勢ばかりだな、日本勢はどこだ・・・ギリシャの街並みも日本みたいに雑然としているな・・・それにしても日本人観客が多過ぎじゃないか・・・
つぶやきながら眺めていて、はたと、街の看板が日本語だらけなのに気づいた。それはオリンピックではなく札幌マラソンだった。ギリシャオリンピックは終わったのに、私のオリンピック惚けは治っていないようだ。
すぐにチャンネルを替えると、美少女コンテストをしていた。歴代のチャンピオンがゲストで、その一人が米倉涼子だった。
「私も家族もコンテストには興味なかったけど、知らない内に友だちが応募していて、しかたなく出場したら、あれよあれよと思う内に優勝してしまって・・・」
と、落選者の気持ちを下ろし金で思いっきり逆なでするようなコメントをしていた。
「そんなに興味なかったのなら出る必要はないのに。」と思ったが、所詮お遊びである。真面目に考える程のことではないのでスイッチを切った。
私はペット自慢のコンテストなら喜んでみるが、美少女となると、本人や家族の怨念が入りすぎで、目をそらしてしまう。
以前、ネコのコンテストで最終選考に残った雑ネコ達が、かごの中であおむけに寝転がったり、隙間から手を伸ばして隣のネコにじゃれたりしていた。あれは実にのんびりしてとても可愛かった。
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