ツバメの巣と酔生夢死 2004年5月17日
自然公園の茅葺き屋根は葺き終えてから一月以上そのままで壁張りはまだである。雨で濡れた屋根の重みで柱や土台が締まるのを待っているようだ。そのように気長に作るから昔の建物は長持ちするのだろう。茅葺きは何度も雨に洗われ、色が落ち着いて新緑に映える。あらためて自然素材の美しさ再発見している。
公園で母が歩いている間、私は休憩を兼ねて、車椅子に乗って母の後ろをついて行く。歩道は緩い下り坂なのでブレーキをかけるだけで力は不必要で、車椅子の乗り心地はすばらしい。すれ違う人が「どこがお悪いのですか」と私のことを心配してくれる。すると母は「この年で、こんな息子の世話は大変です。」と答えている。人の気遣いは裏切らないのが我が家の方針である。
車椅子は乗り物の中で最高の乗り物だと思う。歩くスピードでエンジン音もなく、季節の大気や鳥の声を聞きながら行ける。建物の中も大抵の所は行ける。余談だが、最高の乗り物は戦車らしい。どのような悪路でも砲台は水平を保つ為に、極めて乗り心地は良いと体験者に聞いた。
帰り道、桐ヶ丘区立体育館のツバメの巣が落とされていた。蕭然と飛び回るツバメ夫婦が哀れである。糞への苦情を避けるため職員が落としたのだろう。去年は巣立ちまで楽しませてもらったので、今年もと毎日眺めていたので、怒りがこみ上げ来た。事なかれ主義の役人根性には腹が立つ。
酔生夢死 2004年5月19日
20インチのメインのテレビが古くなって調子が悪い。今すぐにも買い換えたい気分だが、今後の仕事次第である。もし、余分な収入があれば、躊躇無く薄型大型テレビとDVDを買う。
テレビは4チャンネルに入れた時、特におかしい。毎回、歪んだ画像が入る。最近注意して見ていて気づいたのだが、いつも同じ将棋解説の画面なのである。棋士と女性アナウンサーの会話も毎回同じである。以前は、他の放送が混線しているのだろうとさして気にしなかった。しかし、よく考えるとおかしい。夜中、朝、昼、時間に関係なく同じ将棋解説の同じシーンなのである。番組表を調べたが同時刻に将棋の番組などとこにもない。どのようなシステムでこの混線が起きているのか、幾ら考えても分からないミステリーである。
生活は幾度かの危機を切り抜けた。しかし、じきに次の危機がやって来る。困ったことは危機的状況を切り抜ける度に慣れてしまったことである。どうにかなると楽天的になって緊迫感がまるでない。私の場合はその緊迫感が制作のエネルギーになっている。だから、のんびりした気分は、本当に困る。
自然公園入り口の広場中央に東屋がある。東屋にはいつも朝早くから老人達が集まって談笑している。中にはカップ酒を飲んいる者もいる。酔生夢死と言う言葉があるが、まさしくそれである。自然公園を眺めながら終日酔って、青空を眺めながら死ぬ。これこそ人生の理想である。
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