氷イチゴは偽物が美味い 2004年8月1日
今年の夏は厳しいが、既に散歩道の風に秋の気配を感じる。
すでに、ツクツクホーシが鳴いている。この声を聞くと、私は子供時代に引き戻される。夏の終わり頃、日南市大堂津の町外れの山沿の道を歩いていると、ツクツクホーシが降るように鳴いていた。それは遠くの友達の家へ遊びに行った帰りだと思う。私はツクツクホーシを聞くと、遠くまで一人で来てしまった思いに心細くなって、いつも家まで駆けて帰っていた。
私は長距離走が得意で、7,8歳でも10キロ程を平気で走って遊びに行っていた。
炎天下を一日中走り続けても疲れを感じず、体育の持久走で友人達がゼーゼーと息が乱れているのがとても不思議だった。そのまま、訓練を重ねて行けば、少しは良い選手になれたかもしれないが、高校が進学校で運動に冷淡な上、絵に熱中し始めたので、そのチャンスはなくなった。しかし、還暦間近な今も、毎日、母の車椅子を10キロ以上押せるのは、その基礎体力のおかげだと思っている。
昨夜は隅田川の花火大会で、我が家のベランダからも遠く小さく花火が見えた。
ベランダで私は夜風に吹かれながら、かき氷を食べた。かき氷はイチゴ味が好きである。しかし、コンビニで買ってきた氷イチゴは本物のイチゴが使ってあり、私の好みではなかった。氷イチゴは、昔の赤い偽物イチゴシロップの方がさっぱりしていて美味い。
昔はよしず張りの茶店で食べた。注文すると店の小母さんが、木製の冷蔵庫から氷を取り出して手回しでかき氷にした。硝子の鉢にアルミのぺらぺら薄いスプーンが付いていて、かき氷を赤い氷水の中へ少しづつ崩しながらの食べるのは至福の時間だった。
昔の食堂はどこでも、夏になるとピカピカ光る捻った彩色アルミ板が何本も軒下にぶら下がっていた。それに風が当たると、クルクル回ってキラキラ光り、涼しげに見えた。上京してからも、4,5年は下がっていた記憶があるが、いつの間にか街から消えてしまった。
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