床ずれと、スベリヒュ 2004年9月25日
褥瘡とは床ずれのことである。老人や長期の寝たっきり病人を抱えている人なら苦労したことがある難治性皮膚疾患である。心機能が低下したために皮膚の血流が悪くなり、圧迫を受け続けた箇所が壊死する疾患で、骨盤や背骨まで達して、ぽっかりと穴が空くほどの重症例もある。有効な治療法はなく、ただひたすら患者の体位を変えて、一箇所に体重をかけ続けることを避けるほかない。
昔は患者に床ずれを作った看護婦は看護婦失格と言われていたが、現在はそのような言葉は聞かない。昔、老人センターに母が入院した時、隣のベットの老人が床ずれになった。ところが赴任したての若い担当医師は床ずれを知らず、治療をすれど治らず頭を抱えていた。見かねた母が「それは床ずれですよ」と教えた。医師は始めて気付き、何とか治すことができた。
父が寝たっきりになった時、床ずれ防止の為、電動でエアマットの凹凸の空気圧を変化させる器具を使ったが、防げなかった。あまり効果がない所為か、現在の要介護認定適応の介護器具にそのエアマットはない。
先日、コエンザイムQ10の服用で母の心機能が改善されて床ずれが快癒してきたと書いた。今日の散歩時、「すっかり尻の床ずれが消えてしまい、尻がサラサラしている。こんなことは久しぶりだ。」と母は大変喜んでいた。これは画期的なことだ。母は痛みに苦しみ、いつも円座を使い患部を浮かせて座っていた。もし、床ずれで苦労している人がいたら試す価値がある。
緑道公園の花壇が、秋冬の花と植え替えの為、園芸種のスベリヒュが抜かれた。花を残したまま雨に濡れている様は哀れである。
乾いた荒れ地でも丈夫に育つ原種のスベリヒュは好きな野草である。湯引きしてお浸しにして食べられる。腎臓病の民間薬として使われている地方もあるようだ。
子供の頃、母に連れられて、メキシコ映画を見た。映画のシーンのサボテンは肉厚の葉のスベリヒュに似ていた。以来、炎天下の地面に寝転んでは、スベリヒュを眺めながら、メキシコの砂漠を想像する楽しみが増えた。
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