うなづく人ほど、うわの空 2004年9月3日
「うなづく人ほど、うわの空」心理学のオックスフォード大教授ピーター・コレット著ソニーマガジン社刊が面白い。人の何気ない仕草で人の本意を読みとる解説書である。題名は、うなづき方にもよるが、まったく話を聞いていない相手はしきりにうなづくと言う意味である。
昨日、イトーヨーカ堂で、母がトイレを済ますのを待つ間、傍らの靴の修理コーナーをぼんやり眺めていた。
コーナーにはローヒールの踵の修理を頼んでいる女性がいた。修理職人さんは、熱心に踵の材質の説明をしているが、女性はしきりに頷きながら、目は宙を踊っている。職人さんの話が終わると、女性は間髪入れずトイレの場所を聞いた。どうやらかなり我慢していたようだ。すぐに「うなづく人ほど、うわの空」の題名が頭に浮かんだ。
本の内容は多岐に渡る。たとえば男性が両足を広げて立つのは股間の大きさを誇示して相手を威嚇するためだそうだ。だから、足を組んで股間を隠すのは自信の無さを意味している。本を読んでからTVを見ると、政治家や出演者の仕草が気になる。著者によると、政治家の大半の嘘は見抜けるそうである。
赤羽自然観察公園には紫露草が満開だった。薄暗がりにサファイヤ色に群れ咲く様は可憐で清々しい。この花弁の鮮やかなブルーは布を染めることがないので、友禅の下書きに使う。試しに私の白シャツの袖を花弁でブルーに染めてみた。帰宅して洗うと、いとも簡単にブルーは落ちた。
9月5日
最近、装丁の仕事をした。昨日、初校が届いたがひどい出来である。私にとって印刷は鬼門で、めったにうまく上がることはない。私は原画のままにシックな仕上げて欲しいが、彼等は無理矢理に派手に仕上げてしまう。おかげで、その修正指示に昨日は1日費やしてしまった。
そのうち作家が画像処理したデーターを印刷所に直接入稿するのが普通の時代が来る。スキャナーやPCの高性能化の推移をみると、それは遠くはない。
「うなづく人ほど、うわの空」は相変わらず面白い。
それに絶対に本心がばれないおべっかの使い方があった。人に取り入る時、贈り物をしたり、親切にしたりする。しかしその時、自然に振る舞うのが難しく、すぐに本心がばれてしまって、思った程の効果がでない。
しかし、言葉でお世辞を言うだけなら、ばれにくい上に効果がある。人は世辞と分かっていても、誉め言葉を事実と受け取ってしまうようだ。
著者はアメリカ人だが、へりくだる言い回しはアメリカでも多用されているようだ。
西欧は単刀直入、日本は複雑で曖昧と思い込まれているのは、思い違いだ。アメリカの出版社とのやり取りでも、アメリカの方が気遣いが行き届き柔らかで、日本の方は冷淡にずけずけ嫌みを言う。作家への思いやりはアメリカの方がずっと行き届いている。
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