GAPちゃんは2才になったばかり 2004年6月14日
雲一つない快晴。玄関のドアは1日開け放って置いた。昼過ぎから近所の小さな子どもが通路で遊んでいる。子どもの声が聞こえるのは、懐かしくて心安らぐ。この階では唯一の小さな子どもである。
赤羽自然観察公園でも近隣の保育園から引率されて来た小さな子供達と出会う。小さなヨチヨチ歩きの子はお母さんに連れられて来ている。
その中に私たちがGAPちゃんと呼んでいる元気な男の子がいる。寒い頃、いつもGAPのウインドパーカーを着ていたので、勝手にそう名付けた。以前、母の車椅子に乗せてあげると、とても喜んでいた。以来、私たちに会うとニッコリ笑う。GAPちゃんはやっと2才になったばかりだ。
今日もGAPちゃんは石ころや木の葉を拾って遊んでいた。
「自然の中で遊んでいるので、きっと、良い子に育ちますよ」と、母が言うと、お母さんは嬉しそうに微笑んだ。母がバイバイと言うと、GAPちゃんは「バイバイ」と可愛い手を振った。私はGAPちゃんの声を始めて聞いた。体つきは3歳程に見えるが、声はあどけなくて、やっぱり赤ちゃんだと思った。
公園に移築中の浮間の豪農の母屋の上棟式があった。かぶら矢の飾り物、五色の吹き流しと昔ながら上棟式である。餅撒きもするらしいが、そちらは12時40分始まり。早く餅撒きを済ますと、来賓の挨拶を聞かずに帰る者が多いので、式典の最後にしたようだ。
帰り道、老人たちが続々とやってきた。餅撒きの時間を聞くので教えると「そんなに待てないよ」と文句を言っていた。
私は一度、四隅に撒く鏡餅をキャッチしたことがある。この辺りと予想して待ちかまえていると、予想通り、鏡餅はフリスビーみたいに回転しながら私へ飛んできた。その時の手のひらの中の柔らかなズシリと重い感覚を今も明瞭に覚えている。
6月16日
6月には珍しい快晴で爽やかな風。彫刻家の知人が原宿で作品展をしているので、出かけた。
池袋から先の駅へ行くのは今年になって3度目。母が倒れる前、毎日のように新宿銀座と遊びに行っていたことが、今は夢のようである。その僅かな間に、私はすっかり田舎者になってしまった。埼京線から新宿で山手線へ乗り換えだが、新宿駅構内は工事中で乗り換え経路を迷ってしまった。
山手線に乗車すると、車内に若いモデルを連れの40代のカメラマンがいた。男は女に下心があるようで、興奮して喋りまくっている。その内容で、彼らがカメラマンとモデルだと分かった。男は仕事仲間の誰それがデリカシーが無い、と延々と繰り返していた。デリカシーが無いのは彼自身だが、気付いていないようだ。
彼らの隣りには若い女の子のグループがいた。一人は眉をそっていて髪型は南米ノヤマノミ族の女性にそっくりだ。グループの会話には代官山、白金といった地名が繰り返し出てきた。何だか空虚な話ばかり耳に入り、原宿に着くまでに疲れてしまった。
原宿はケヤキの並木の緑が爽やかで、気持ちが和んだ。
246号線沿いの画廊で作家と互いの近況を話し、すぐに帰宅した。
作品展の様子は、左サイドバーの写真日記に掲載した。
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