天然ガス炎上。2005年2月11日
赤羽自然観察公園では、スズメ達が私たちの顔を覚え、歩道を行く先々に舞い降りては餌をねだる。粟、ヒエを蒔くと仲間を呼び、嬉しそうにプツプツとついばむ。その可愛い仕草を母は楽しそうに見入っている。
餌を蒔き始めたのは3年前からで、野性のスズメの短い寿命を考えると、多くは孫の代である。しかし、私達のことは親スズメから子スズメ、孫スズメと伝承されているようだ。
スズメ達に比べると樹木は長命である。自然保護区域の木々は天災に遭わない限り、私が死んだ後も長く生き続けることだろう。次々と代替わりする小鳥や草花。100年以上もどっしりと生き続ける樹木。それらが手を携えて生き抜いている自然は素晴らしい。
午後、テレビを付けると浅丘ルリ子が出ていた。
場面は昭和47年の「寅さん」の1シーン。彼女はドサ回り歌手リリー役である。寅さんとリリーの背景に北海道の夕暮れの深い緑と牧草地。私はそのオレンジ色の夕空に引き込まれるように見入っていた。
その撮影の頃、私は隣町の十条に住んでいた。生活は安定していたが、仕事はやりたいことではなく鬱々とした毎日だった。仕事の合間に、新しいことに挑戦はしたがどれもうまく行かず、挫折感はそれから10年以上続いた。
昨日、近所で火災が起きた。
消防車がうるさいので外に出ると川向こうから炎が上がっていた。母に知らせると見たいと言う。手を引いて玄関に出ると、「気の毒だけど、炎は綺麗だね。」と母は見とれていた。
昼の暖かさから一転、冷たい強風。直ぐに部屋へ戻るとテレビのニュースで火事のことを何度も報道していた。
温泉用に1500メートル掘り進んだ井戸から天然ガスが吹き出て引火したようだ。そう言えば、炎の大きさの割には煙はなかった。その後は大変で、次々と報道のヘリが飛んできて、6機が上空を旋回していた。火事より、空中衝突しないか心配なくらいだった。
火を消すとガスが充満して危険なので、類焼しないように放水が続けられ、20時間後、泥水で封をして鎮火した。被害は広い工事現場の一部で、けが人は出なかった。
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