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2006年12月18日 (月)

お婆さんは、ただ挨拶を交わすだけで表情が明るくなった。2005年2月13日

曇りがちで、冷たい風が吹いている。このような日は赤羽自然観察公園の人出は少ない。いつも一人で車椅子でやって来るOさんは、バレンタインデーを期待していたのに知り合いが誰も来ない、とぼやいていた。Oさんは70代である。彼は60代の頃、酔って帰宅したら門の鍵が閉まっていて、塀を乗り越えて入ろうとして落下して脊髄を損傷してしまった。下半身が麻痺してしまい3年余りの寝たっきり生活を続けたが性格も明るく芯の強い人で、杖をついて歩けるまでに回復した。

Oさんの話し相手をしていると、馴染みの年寄りが次々と集まって来たので、私達は辞して先へ進んだ。
集まった老人の中に80代のお婆さんがいた。彼女が公園へ来始めの頃は、いつも険しい顔で一人で歩いていた。私たちは、毎日、彼女に出会うので、何となく挨拶するようになった。他の老人達も彼女と声を交わすようになった。すると、お婆さんの表情が次第に温和になって、田舎のお婆さんのような人の良さそうな優しい顔に変化してしまった。単純に、皆と挨拶を交わしているだけなのに、これ程の効果があるとは驚きである。
同じように母の表情が温和になったのも散歩のおかげだと思う。

車椅子を押していると、あちこちで色んな人が母に声をかける。道路工事の交通整理の人。スーパーの警備の人。いつも同じコースで犬の散歩をさせている人。東京なのに田舎のような暖かい繋がりが出来てしまった。
母が今、元気でいられるのは声をかけてくれる人達のおかげだと思っている。

時折、第一線で活躍している若い知人から電話が入る。私は仕事、人間関係の悩みの聞き役をさせられるのだが、聞きながら、人の心の寂しさをひしひしと感じる。
心が重く感じたら、知らない人でも動物でも自然でも、声をかけてみると良いのかもしれない。ただそれだけで、いつの間にか心が軽くなる。

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