彼岸のお布施。2005年3月13日
赤羽自然観察公園の石垣では冬眠から目覚めたメスの青トカゲが日向ぼっこをしていた。丸っこい体に小さな手が可愛い。
いつもの日溜まりに腰を下ろし、風の音を聞きながらお茶を飲んでいると、母がお彼岸のお布施のことを言い始めた。昨日、博多の菩提寺から封書が来ていが、内容はお彼岸のお布施の通知であったようだ。
母は3万程を送ってくれと言う。せっかく心地よく春の日射しを楽しんでいたのに、頭から冷水をかけられた思いがした。
金がある頃は何も考えず振り込んでいた。落ち目になっても、年寄りの為と思って無理をして振り込んでいたが、最近は腹立たしさが募る。これが病院の払いとか薬代なら、無理してでも都合する。しかし、裕福な寺へ貧乏人が無理をして支払う構図はやりきれない。
3月14日
沈丁花が香り、せっかく春めいてきたのに、昨日はお布施のことで気分が優れなかった。お金のことで母にあたっても仕方がないことだが、ついつい苛立ちが母へ向かってしまった。あと何年も生きられない老人に厳しく言い返した自分が厭になる。
それで、厭な事を忘れるように、今朝4時まで絵を描いていた。
絵を描いていると厭なことを忘れてしまう。絵描きは小説家に比べると長生きと言われているが、この効果が体に良いのかもしれない。
赤羽自然観察公園の古民家は完成したが、公開は来月になる。空気の入れ替えに雨戸が開いている時、日射しが差し込む縁側に真新しい障子が美しい。あの縁側に大の字になって横になったら、さぞや気持ち良いだろう。
今日は乳母車に荷物を満載した老ホームレスが、段ボールを敷いてぼんやり古民家を眺めていた。係が常に園内を巡回しているので、すぐに追い出されるだろう。利口なホームレスは荷物は持ち込まず、身一つでベンチで休んでいる。老ホームレスが気の毒になった。
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