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2006年12月 9日 (土)

送られて来た入選作品集   2004年12月24日

昔、CDカバーの絵を描いていた。
その中にドボルザークの「家路」がある。見本で貰ったCDがあるのでiチューンでPCに取り込んだ。これは懐かしい曲である。私が高校時代を過ごした宮崎市のデパートで、夕刻になるとこの曲を大音量で流していた。騒音防止法などなかった時代で、今思うと近所は大迷惑だったと思う。
しかし、日南の小さな漁村から出てきたばかりの私には、それが都会の強烈なイメージになってしまった。今でも「家路」を聞くと、田舎出の私に珍しかったガスコンロのある台所やデパートの屋上風景をリアルに思い出す。それは古い写真を見るように、屋上の手摺りのペンキの剥げた赤錆びや、厨房の排気口から漂う洋食の匂いまで思い出す。
 
今日、第10回リキテックス・ビエンナーレの作品集が届いた。私は第8回を最後に応募は止めているが、作品集は律儀に送られてくる。
応募を止めたのは、今描いている絵がコンテストには不向きになったからだ。
作品集を見たが新鮮な感動はなかった。審査員もいつもと同じ顔ぶれでつまらない。それでもリキテックス・ビエンナーレはコンテストの中ではましな方と評価している。
日本の美術界は優秀な人材は多いのだが、新人発掘のシステムが硬直していて、良い作家が出てくることは厳しい。

しかし、逆に発想すると、認められる方法は容易かもしれない。
以前、売れっ子作家が、奇をてらった作品で大賞を重ねた後、序々に自分のスタイルへ戻して今の地位を得た、と話すのを聞いた。私も一時期その方法を考えたが、結局、そこまで割り切る事が出来ず頓挫した。私に限らず、絵描きは皆こだわりが強く、そうできないから苦労している。概ね、絵描きは不器用な人が多い。

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