初雪の散歩道 2004年12月30日
昨日は初雪。予報では雨交じりのみぞれと言っていたが、強く降り続いて、母の散歩は断念した。その前日はリハビリで休み。二日続けて散歩を休むと母は体調が悪くなる。今朝は間違いばかりしていて、少し惚けたように見える。
今日は打って変わって好天。散歩に出ると、雪は道端に堅く凍って残っていた。雪道は車椅子に厳しい。緑道公園へ入ると更に厳しく、前車輪が凍った雪の凹凸に取られて前進できず、後ろ向きに進んだ。自然公園の歩道は更に雪が多く、途中で諦めて引き返し、一般道を遠回りして正門から入って公園管理棟まで行った。
公園は雪見の小さな子ども連れの親子が多い。子ども達は積雪を見て歓声をあげてはしゃいでいた。その中、3つ程の女の子が道端の汚れた雪を拾って口に入れた。
「食べちゃダメダメ」と母が慌てて声をかけたが後の祭り。若いお父さんも気づいたが間に合わない。多分、彼女には生まれて始めての雪だろう。お腹が痛くならなければ良いが。しかし、父親は気にせず、親子で母にバイバイと手を振りながら公園内へ入っていった。
私は若い頃から子ども好きだったが、最近、とみに子ども達が可愛いくなった。純粋でフレンドリーで、仕草の一つ一つが心に染み入る。
しかし、その子達が大人になる頃の世界を思うと、暗澹とする。温暖化や人口爆発による食糧難。公害。心の荒廃。財政破綻。年金制度や医療保険の形骸化。どうしても美しい未来は描けない。
今朝も母はとんちんかんなことばかりで、いよいよ惚けが来たかと覚悟した。しかし、散歩に出ると見違えるほどしっかりした。
帰りは買い残した正月用品を板橋区に新設したスーパーに寄って買い物した。北区の境界を越え板橋に入った途端道が悪い。緑地も消え、工場ばかりで殺伐とした光景に変わった。歩道の敷石も手入れが悪く車椅子を慎重に押した。
スーパーは店内放送がうるさく落ち着かない。急いで必要なものを揃え、静かな北区内へ逃げ帰った。板橋区は工場からの税収が多く北区より裕福と聞いているが、住人は荒廃しているように感じる。
新河岸川沿いの遊歩道をカモメを見ながら帰った。冷たい川風が静かで心地よい。暖かい部屋へ入ると更に落ち着いた。
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