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2006年12月11日 (月)

アメリカ行きの飛行機雲   2005年1月3日

早くも三が日は終わり。
好天なので早く散歩に出た。相変わらず雪面は硬く氷結して踏ん張りがきかない。昨日同様、坂道を車椅子を押し上げるのに難渋した。
赤羽自然観察公園は人影がなく、自然を独占できのが心地良い。雲一つない青空に下弦の月。その傍らを飛行機雲が流れている。思わず・・・花嫁は夜汽車に乗って・・・の、昔の曲が口をついて出た。

それに良く似た飛行機雲を32年前に見たことがある。
朝、アパートを出て仕事場に出向く時、旅支度の若い女性が声をかけてきた。
「これからアメリカです。向こうで婚約者が待っています。」
毎朝、出勤する彼女とは出会っていて顔は知っていたが、挨拶も言葉も交わしたことはない。その彼女が突然声をかけてきたので私はビックリした。
「それは良かったですね。お幸せに。」 私は戸惑いながら答えた。
彼女は、アメリカで結婚式をすると短く話した。そして、嬉しそうに重いトランクをゴロゴロ押しながら去っていった。

その日の午後、外に出ると澄み切った青空に飛行機雲が見えた。航路は違っていたが、それはアメリカ行きの飛行機のような気がした。そして、当時はやっていた前述の曲が口をついて出た。
もし、彼女が幸せなら孫のいる年である。

赤羽自然観察公園へ母を連れていくようになって2年が過ぎた。
周辺の人たちに介護が大変ですねと同情されるが、実際は違う。むしろ、私が救われている面が多い。
毎日の散歩で、今ほど自然をじっくり眺めたことはない。四季の移り変わりを眺めていると、生も死も静かに眺められるような気がする。勿論、想像するのと体験するのは格段の落差があるが、それでも、生から死への流れを静かに受け入れられる気がする。

公園の帰り、駅前のユニクロへ寄って母へ赤いダウンジャケットを買った。その商品は去年見た時は1万程であったが、新春セールで5900円まで下がっていた。

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