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2007年1月 2日 (火)

春は心弾む季節であるが。2005年4月11日

朝から雨で、気温の変動が激しい。
散歩に出る時、部屋の明かりを消す。いつものことなのに、明かりを消すと、雨で暗い部屋は命を失ったように寂しい。

夜来の雨で桜は見事に散った。昨日までの華やかさが嘘のようである。
車椅子の車輪に地面の花弁がこびりつく。自然公園へ着く頃は、雨は更に強くなった。公園に人影はない。このところの人出の多さにうんざりしていたので、この静けさは心地よい。桜が終った明日からは人出は半減することだろう。

4月12日

今日も肌寒い曇天。午後、画材とサプリメントを買いに出るとすぐに冷たい雨が落ちてきた。途中、緑道公園の物陰で、いつも見かけるホームレスが寒そうにフードを被り、濡れながらおにぎりを食べていた。

彼は今年の1月、緑道公園の日溜まりのベンチでラジオをイヤホーンで聴きながら文庫本を読んでいた。年は40代前半、小綺麗な身なりで、非番で休みのサラリーマンと思っていた。しかし、色白だった彼は日に日に日焼けして、ホームレスだと分かった。
私から見ると、ホームレスになれる自由を持つ彼は羨ましい。母をかかえた身としては、絶対に今の生活を維持しなければならず、身を落とすことなど許されない。

埼京線の車窓から音無川の桜を見た。まだ完全に散ってはいず、川面はピンクの花弁で覆われていた。
久しぶりに電車に乗ると、何だかお上りさんの気分である。渋谷の人混みも、以前の荒んだ気分はない。世相が良くなったのではなく、春の気分がそうさせているのだろう。

渋谷駅前の画材屋ウエマツへ入った。
品物を選んでいると、20才程の女の客が店員に地塗りのことを聞いていた。しかし、聞こえてくる店員の説明は不十分で彼女は納得していない様子。そのうち彼女が、筆を選んでいた私の傍らに来たので、「ジェッソの塗り方が分からないの?」と小声で聞いてみた。すると彼女は嬉しそうにうなづいた。それで、幾通りかの技法を簡単に説明した。よく誤解されるが、画材屋の店員は技法については詳しくはない。
彼女との会話はちょっと弾み始めたが、母の夕食の事を考えると付き合ってはいられない。話を切り上げてレジを済ませ店を出た。
昔なら、彼女との話を盛り上げて飲みに誘っていた。そうやって、本当に沢山の女性と知り合った。今のストイックな生活から思うと、夢のような生活である。

帰り、ライフで砂糖を2㎏買った。昨日、九州から日向夏が送って来たので、それを全部刻み、擦りリンゴを加えて大鍋半分のマーマレードを作った。これをリンゴジュースに溶いて寒天で固める。香り高く、本当に美味い寒天ができる。

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