ツバメと芸人さんの自殺 2005年4月23日
今の新緑は美しい。しばしば、車椅子を押すの止め、暫く眺め入ってしまう。しかし昨日、この美しい季節にポール牧は自室から飛び降り自殺してしまった。彼にはこの美しい自然が心に届かなかったのだろう。
本当に滅入っている時は、美しい風景がただのプリントにしか見えない時がある。これは鬱患者や分裂症患者にもある感覚で、昔読んだ医学書に、回りと自分との間を板が隔てていると患者が訴えている箇所があった。逆に言うと、自然を美しいと感じられれば、人は自殺したりしないものだ。
それにしても、一度脚光を浴びたことがある芸人にとって、仕事が無くなるのは辛いことだ。現実は、大御所のサンマとかタケシを除けば、大半の芸人さんの老後は寂しい。そう言う私だって食うや食わずで大変であるが、幸か不幸かまだ脚光を浴びたことがない。
自殺について触れたが、実際は、生活できなくて自殺する者より、作品が出来なかったり、芸が拙くなって、悲観して死ぬ者が多い。
今日のような天気の良い日は自然公園の田圃脇の土手でお茶を飲む。爽やかな日溜まりで、草の上に腰を下ろした感覚は子どもの頃を思い出させる。
田起こしが終わり水を入れた田圃ではツバメの夫婦が巣作りの為に泥を集めていた。背中の黒い羽が青く光って美しい。
私達に気づいた田圃作りの指導をしているMさんが、古民家の軒下に巣作りしてくれればいいな、とツバメたちを目を細めて眺めていた。古民家にツバメの巣は絵に描いたように似合っている。
自分勝手なもので、古民家が公開されてから見物客が多く落ち着かない。それで最近は自然公園には長居しなくなった。猛暑の夏が来れば、また静かな公園が戻るだろうが、その頃は私の生活が危うい。生きている限り、楽しさと同じくらい辛いことも受け入れなければならない、と言うことなのだろう。今の救いは、良い絵が描けることだ。
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