交通事故の息子を介護する母。2005年6月19日
散歩道で車椅子を押す婦人によく会う。乗っているのは交通事故で重度の障害を負ったご子息である。ご子息は大柄で彼女が押すのは大変そうだが、暑い夏も休まず、施設へ連れて行く彼女に出会う。
今日は生協で、一人で来ていた彼女と出会った。訪問入浴の日で散歩はないらしい。私が買い物している間、彼女は母と話し込んでいた。
ご子息は三十代後半、頭半分を縦断する大きな傷跡がある。彼女の話では、十年前に交通事故に会ったようだ。以前も書いたが、彼女は今も毎日、事故のあった午後3時になると胸がドキッとする。それは、若く将来豊かな青年の交通事故を知らせる電話があった時間である。その一瞬から、彼女の人生は激変し、平和で静かな生活、息子夫婦と孫達に囲まれた穏やかな老後、それらは一瞬に失われてしまった。
経緯は違うが、脳障害を持つ40代の子息の手を引いて自然公園に散歩に来る、70代の夫婦とも良く出会う。障害を持つ息子を残して、先に逝かねばならない心境はさぞや辛いことだろう。
それでも、家族はかけがえのないものだ。厄介で手が掛かる存在であっても、それが生きていく救いになる。それは、母の介護を始めて、始めて分かったことだ。
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