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2007年1月14日 (日)

生きていることはそれだけで素晴らしい。2005年7月13日

旧知のYさんがお中元を持って訪ねてきた。
Yさんは飾り職二代目で42年来のつき合いである。昔は連れだって池袋界隈でよく遊んだ。Yさんの先代は日本橋で生まれ育った江戸っ子だ。話し方に江戸前の雰囲気があり、見た目も話し方も、昔の噺家、三遊亭金馬によく似ていた。先代の仕事仲間も日本橋界隈の職人さんが多く、彼等の仕事場を訪ねるのは楽しかった。

今はすっかりビル街になってしまったが、当時、日本橋界隈の裏通りは町屋が多く下町の雰囲気が残っていた。その職人さんたちとの付き合いのおかげで、私は、お酉さん、べったら市、ほおずき市、朝顔市と江戸の行事に詳しくなった。

Yさんと母は楽しそうに昔話しをしていた。
Yさんと仕事をしていた頃は景気も良く、働けば幾らでも稼げた。その時代は今の10分の1以下の経済規模だが、生活の豊かさは今より勝っていたように思える。
昔は皆、家族でよく遊びに行った。自家用車などない頃で、遊びと言っても、近所の映画に行き、帰りにウナギ屋に寄る位のものだ。昭和30年代の家族を思い返すと心が暖かくなる。だからYさんと会うと、昔の元気が蘇る。
しかし飾り職は他の多くの職人仕事同様、中国、東南アジアに仕事を奪われ生活は行き詰まり、殆どの職人さんは転職してしまった。

昨夜、映画マザー・テレサ役をやったオリビア・ハッシーが出てインタビューに答えていた。役の上のマザー・テレサの台詞だが「生きていることはそれだけで素晴らしい、生きていれば、どんな辛いことでも乗り越えられる」何でもない言葉が深く心に染みた。

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