石塔の花しおれて蝉時雨 2005年7月21日
夏休み初日、自然公園は静かであった。子供たちは学校のプールへ出かけたのだろう。通り道の小学校のプールは賑やかだった。
公園の古民家には客はいず、母は常駐のボランティアの人と雑談していた。母達の話し声を聞きながら、風が抜ける座敷に寝転んで10分程まどろんだ。
暑くなってから顔馴染みの老人たちに出会わない。秋に再会を願うが、大半はこのまま来なくなる。
帰り道、墓地脇を抜ける。お盆の頃、墓に供えた花がしおれ始めていた。静まり返った夏日射しの中に、蝉時雨が切れ切れに聞こえる。生協へ寄って、オリーブ油、野菜ジュース、豆乳を多めに買った。
母は最近腹が張ると訴える。苦しい時は声を出すのも辛そうである。すぐに肝臓ガンの再発や転移を疑ってしまう。腹の張る原因が肝臓疾患による腹水の所為なら、吐き気、疲労感が伴うはずだが、母にそれらの症状はない。ただ腹が張るのである。体重を量ってみると65㎏。4月に量った時は62㎏。脂肪が付いただけで、そんなに苦しいだろうか。色々厭なことが思い浮かぶ。とりあえず、明日、東京北社会保険病院の内科を予約した。CTスキャンを撮ればはっきりすることだろう。
3年前、駒込病院へ入院している頃は、母の体重は52㎏まで落ちて、医師に体重を増やさないと手術出来ないと言われた。あれから13㎏も太っている。春先、急坂で車椅子を押していて、きつかったことがあった。体力が落ちたのかなと、気になったが、今思うと、母が太った所為であった。
母に長生きして欲しい。かと言って、関東に起こる大震災を迎える頃までは長生きして欲しくはない。私の仕事がうまく行って、少し楽をさせてから逝って欲しい。母は十分に幸せだからそんなことは望んでいなと言うが。
ふりむけば昼顔ゆらす沢の風
石塔の花しおれて蝉時雨
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- コロナ陽性となって起きる不都合と差別。Go Toトラベルの見直しは非科学的。令和2年11月22日(2020.11.22)
- 新型コロナは蔓延しないと終わらない。終息を急ぐあまり、自殺者とシャッター通りを残す愚策は止めてほしい。令和2年11月14日(2020.11.14)
- 上手な嘘と嘘の見抜き方で、営業・企画・宣伝力強化。冷和2年10月29日(2020.10.29)
- 報道の変化に新型コロナ終息が見えた。人口激増に備えての昆虫食。令和2年10月19日(2020.10.19)
- 今日は10回目の母の命日。令和2年7月1日(2020.07.01)