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2007年1月13日 (土)

家族の暖かさ。2005年7月9日

どんよりと曇り涼しかった。
車椅子を押していても殆ど汗をかかない。自然公園は涼しいのに人出は少ない。ただ、土日を利用しての子供達がキャンプに来ていて、テントが張ってあった。
雨のキャンプは子共たちにとっては楽しい体験だ。テントを打つ雨音を聞きながら寝るのは新鮮な経験だろう。夕食に深夜のトイレ行きと、深く記憶に残るだろう。

古民家には小さな女の子を連れた若いお母さんが来ていた。
座敷奥を興味深げに覗いているので、母は「上がっても良いですよ」と薦めていた。
親子は嬉しそうに座敷に上がって、座敷で寝転んでいる私の方へやって来た。
躾の良い可愛い子供達である。
五つ程のお姉ちゃんに、納戸を指さして「マックロクロスケがいるよ」と言うと、こわごわと板戸を開けて覗いていた。下のごそごそ這っている赤ちゃんも黒光りしている板の間が気持ち良いようで、楽しそうに手でとんとんと叩いていた。
お母さんはきちんと髪を纏め、色白の襟足が美しい。
帰りがけ、古民家脇の遊歩道から座敷を振り返ると、私たちを見送っていたようで、目が合ったお母さんは丁寧に挨拶をした。ふいに、彼女たちの幸せな家庭が垣間見えた気がした。

7月11日

深夜、母からのブザーが鳴った。
私が取り付けたブザーだがこの電子音は嫌いだ。慌てて母の部屋へ行くと、咳が出て眠れないと言う。咳は仕事部屋まで聞こえるはずなのに聞こえていない。しかし、母は気管支辺りが苦しいと訴える。母は精神的に脆いところがある。ムコダインを2錠飲ませてみた。これは痰の排出を容易にする作用があり、副作用も少ない。

後で見に行くと母は死んだように寝ていた。いつものことだが、本当に死んだのではと暫く眺めていると、腹の辺りがかすかに動いた。老人は、呼吸が浅く、息をしているのが分かりにくい。更に30分後見に行くと手の位置も変わっていて一安心した。

母の咳は最近増えた。時折、肺か気管支にガン転移かと、厭なことが頭に浮かぶ。かといって、悪くなっても何もしないことにしている。母に長生きはして欲しいが、93歳の年齢を思うと無理な願いである。だが、唯一の家族を失う寂しさは大きい。

NHK教育の日曜美術館のテーマは「家族」であった。
登場した昔の作品は心温まる作品が多かったが、現代作家の作品は頭でっかちで、素直でなく気に入らなかった。
しかし、作品を見ながら、家族はいいものだと思った。

私は独り身なので家族の良さがしみじみと分かる。だが、若い頃に今の自分を予測していたとしとても、やはり、今の生き方を選択していたと思う。寂しいとぼやきながらも、私は一人でいることを後悔していない。これは私の業なのかもしれない。

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