栄枯盛衰。2005年8月16日
バンコクへ作品データーを送らねばならない。
印刷用のデータの為にスキャンを頼もうと旧知の製版屋に電話を入れた。しかし、電話は使われていない。最後に仕事を頼んでから4年は経つ。相手は小さな企業ではなく、製版大手である。仮に地方移転したとしても、暫くは電話メッセージが流れるはずである。
しかし、思い当たる点もある。最後に訪ねた頃、小ロットの印刷受注などで収益強化を図っていた。そこまでする必要はないだろうと思ったが、あの頃、建て直しを図っていたのかもしれない。
仕方がない。ポジにして送ることにした。
しかし、市ヶ谷の箪笥町にあった大手ラボが新橋に移転していた。地図を見ながら、訪ねると、そこは汐留めに近い場末の小さなビル6Fにあった。
移転したラボに以前の活気はなく、社員も数分の一に縮小していた。おまけに、社内撮影は止め、取り次ぎだけと言う。仕方がないので、作品を預けた。
久しぶりの新橋である。時間があるので、ユリカモメに乗った。雨模様にかかわらず、ホームは夏休みで混雑していた。私は日の出で下車した。駅前の日の出桟橋は東京湾クルーズのシンフォニーを待つ乗客で華やいでいた。
私は通り過ぎて、お台場海浜公園行きの遊覧船に飛び乗った。
雨の湾岸風景の素晴らしさに息をのむ。灰色の重い雲。鉛色の海面に降る雨足。広大な湾岸の近未来的なビル群。遠く雨に煙る荷役用のキリン。ゆったりと行き来する貨物船。10分程の船旅であるが、近頃にない感動を覚えた。
お台場で下船。腹が空いているので、売店でソフトクリームを食べた。それから海を眺めていると地面が揺れた。地震のようだ。
直ぐ近くにレインボーブリッジが見える。帰りは歩いて渡ろうと橋へ向かって歩いた。お台場の混雑に比べ、砂浜沿いの歩道は誰も歩いていない。10分程行くと雨の中泳いでいる家族が2,3組いた。よく、こんな海で泳げるものだ。しかし、内海の向こうに高層ビルが林立する景観は素晴らしい。
更に歩くとレインボーブリッジの歩道入り口があった。
しかし、閉鎖してある。係員に聞くと地震の被害調査のため歩道は閉鎖だと言う。車もユリカモメも普通に動いているのに、どう言うことだと文句を言ったが要領を得ない。歩道の点検に時間がかかりますので、の一辺倒である。仕方がない、ユリカモメで帰ることにした。
雨の東京湾の風景は一見に値する。今まで見たどのSF映画より、感動的な風景であった。今、そのイメージを絵にしようとラフを描いている。
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