アジア的人間臭さは飽きない。2005年9月10日
母の通所リハビリの、同年輩の仲間が一人亡くなった。とても元気な人で若い頃自転車で世界一周をしたのが自慢だった。母は繰り返しその自慢話を聞かされるのが苦痛で、同じテーブルに着くのを避けていたようだ。
その人が、7月始めに見えなくなって、どうしているかと案じていたら、既に8月に亡くなっていたようだ。老人施設での死亡率は高い。暫く顔を見せない時は寝たっきりになったか、亡くなったかどちらかである。
そう言えば最近、自然公園常連のOさん達の顔を見ない。Oさん達は始めは4人グループで、いつも元気に政治論議などやっていた。それが3人になり、この夏の終わりに2人になった。これから涼しくなって、2人が元気に顔を見せてくれることを願っている。
土曜午後の番組、NHK教育「アジア語楽紀行」が良い。先週はタイ、今日はベトナムだった。現地の可愛い女子大生が観光コースではない下町や市場を案内しながら、実用的な言葉を教えてくれる。元々はハイビジョン番組で、画像はかなり美しい。その番組が好きな理由は裏通りを案内してくれるからである。雑然としているが人間臭く、どこか懐かしい風景に惹かれる。
最近、あの六本木ヒルズの有名店街からテナントが撤退しているらしい。私は開設当時、到底長続きはしないと思っていた。同様に丸ビルや汐留の商業区域も同じだと推測している。あのような衛生的で規格化された町は飽きやすい。
その点、アメ横や浅草の仲店や秋葉原の電気街は強くしぶとい。以前、東京都指導で上野忍ばず池地下に大駐車場を作りアメ横を近代的な街に作り替える計画があった。しかし、計画はいつの間にか頓挫して今も街並は変わらない。もし変わっていたらアメ横は衰退していたかもしれない。
先日、一時帰省してきた友人と会った時、高校まで過ごした宮崎近郊に巨大商業施設が出来たと話していた。二人で施設が維持できるのは3年程で、破綻したシーガイアの二の舞だろうと話した。役人が立案した衛生的な施設は直ぐに色褪せてしまう。施設は人間臭さを残さないと長続きしない。施設の楽しさはアジア的混沌にあるのだが、それが分かっている企画者は少ない。
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