祭囃子と文化の底上げ。2005年9月18日
仕事が入って平和な毎日を過ごしている。巧くすれば来年3月まで食えるつかの間の平和である。給与生活者から見れば恐ろしく不安定な状況だが、フリーの私には極めて安定した状態である。
おかげで、毎日の散歩も心地よい。今日は緑道公園を歩いていると祭囃子の音が聞こえた。静かな散歩道に響く笛や太鼓の音が懐かしく、透明な秋の光の中に子供の頃の情景が蘇ってきた。
自然公園の古民家に親子連れが多かった。小さな子供たちがおはじきなどの昔の玩具で遊んでいる声が可愛い。子供達はシンプルな昔の遊びがとても楽しいようで、座敷から離れたがらない。出ようとせかせるお母さんへ「お留守番しているから、行ってもいいよ」と子供たちは言っていた。
何もない畳と古い木材で出来た空間が子供たちにも心地よいらしい。縁側には月見団子とススキが飾ってあった。今日は15夜、今日の天気ならすっきりと月見ができそうだ。
先日、絵描きのK氏が電話してきた。相変わらず生活は大変な様子。しかし、色々雑談している内に最後は絵描きは精神的にタフだと言った話に落ち着いた。私達は作品制作については極めて繊細ではあるが、生活者の部分はタフである。
愛した仕事の為なら少々世間体の悪いことでも出来るものだ。それは物書きも同じで、共に仕事したF氏も、仕事で絡んだ企業から脅すように金をせしめていた。アーティストと言うと品の良い仕事に見えるが、実はやくざな仕事である。何しろ役に立たないものをお金にする仕事で、やっていることは詐欺師と大差ない。
先日の選挙に絡むが、知人の知人が某党の人で、その党が芸術家支援法を上程しているから投票して欲しいと依頼があった。日本は先進国中で芸術家の支援体制は一番遅れている。政府や世間に芸術は生産や商売には役に立たないという考えがあるからだ。
だが、それは間違っている。芸術は文化の根幹を成すものだ。その国の文化はその国の工業製品に付加価値を生み出す。たとえばトヨタがベンツやフェラーリにいくら技術的に追いつき凌駕しても、ユーザ達は本心から敬意は示さない。それは文化の蓄積の差なのである。
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