小さな事故のあった夜、24の瞳を見た 2005年8月3日
母の精密検査に9時に病院に行くと、すぐに検査が始まった。母は造影剤を点滴しながらレントゲン撮影をして、腎臓から膀胱への尿路系の異常を調べる。終わるまでの30数分、待ちながら異常があった場合の対処を考えた。
終わるとすぐに泌尿器科の診察室に呼ばれた。結果は、尿路系に腫瘍はなし。腎機能も年相応。尿中の癌細胞も検出せず。良い結果に心底ホッとする。母も気分が良いようで担当医と看護婦たちと軽口を交わしていた。明日は、母の緑内障の検査。ついでに私の眼圧も計って貰う。共に大過ないことを願う。
夜、仕事をしていると、下の道で事故らしい大きな音がした。玄関へ出て下を見るとバイクが倒れ、若い女が転がって痛い痛いと叫んでいる。傍らで運転していた若い男が女をのぞき込んでいる。私のいる13階まで、下の声が明瞭に聞こえる。女は救急車を呼ばないように頼んでいる。どうやら、二人乗りで走っていて、男が運転ミスをしたようだ。女の怪我は左足で重症ではない。女が落ち着いてきたので、部屋へ戻った。
仕事をしている傍らのテレビでは黒木瞳主演「24の瞳」をオンエア中。
私は高峯秀子が大石先生を演じた昭和29年松竹映画が印象に強い。あの名作の時代の砂利道や素朴な子供達を今再現するのは無理である。テレビ画面を見ると幻滅するので音声だけを聞いた。
卒業式のシーンで子供達が合唱する仰げば尊しが胸に迫る。目をつぶると、私の通った小学校音楽教室のぎしぎしきしむ床で歌った仰げば尊しを思い出す。最近の学校ではこの歌は歌わない。今の教師は自らを卑しめるのが好きなようだ。
高峰秀子版の小豆島ロケ地は私の育った南九州によく似ていた。
小学生時代から半世紀が過ぎてしまったのに、今も薄暗い教室や裏山から見えるキラキラ光る海をリアルに思い出す。子供時代の記憶は私の一生の半分を占めるようだ。
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