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2007年1月 4日 (木)

納豆の食べ方  2005年4月15日

イトーヨーカ堂地下で南部煎餅を売っていた。母が手に取りたいと言うので、棚から取ると陳列の仕方が悪く隣の1個が床に落ちてしまった。拾ってみると1枚が割れている。こっそり棚に戻す訳にはいかず、仕方なくそれを買うことにした。

南部煎餅は生協のが安くて美味い。しかし、イトーヨーカ堂のは398円と生協の倍近い。味は塩が強すぎてゴマの量も生協より貧相。ただ、パッケージはカラー印刷で生協より立派。有名店の商品は概ねこんなものだ。

その煎餅は美味くないので、早く食べてしまいたい。
昔、南部出身の人と付き合っていた頃、南部煎餅の変わった食べ方を教わった。汁ものの具に使うのである。お昼、ワカメと豆腐のみそ汁を作ったので、試しに南部煎餅を割って煮込んでみた。煮上がると麩のようで不思議な食感がして美味かった。他に南部煎餅に餅を夾んで食べる方法も教わったが、こちらは試す気になれない。糖質同士の組み合わせは栄養的に気乗りがしない。

その彼女には納豆に砂糖を入れる食べ方も教わった。聞くとオエッとしそうだが、納豆のパックに付いている出汁にも砂糖は入っている。砂糖でなく、味醂を入れると考えれば違和感はないはずだ。

私は納豆好きで、刻み葱と鰹節と和辛子を山のように入れ、薄味してどんぶり一杯をご飯無しで食べる。そこに隠し味程度に砂糖を加えると味がまろやかになって更に美味い。
私は九州の田舎育ちだが、幼い頃から納豆好きである。そうなったのは死んだ長兄の影響である。

戦前、長兄は母と神田で暮らしていた。当時は、納豆売りが朝の風物詩で、早朝から納豆売りの声が聞こえた。幼い兄は「ナットー、ナットー」の売り声が近づくと、面白がって毎朝、呼び止めていた。それで毎朝、食卓に納豆が並ぶことになった。

戦後、南九州の田舎に引き込んでも、母は病弱だった長兄の為に遠くから納豆を取り寄せた。当時は藁に包まれた本式のものだった。中味の大半は兄が食べ、私は藁に付いている納豆を食べた。香り高く、納豆は本当に美味いと思った。

今、そのことを母に言うと厭な顔をして、
「繁は42才で死んだけど、粗食に放ったらかしに育ったお前は元気だろ。」と言い返す。確かにその通りである

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