四つ葉のクローバー 2005年4月22日

今年はまだ四つ葉のクローバーを見つけていなかった。いつもなら4月までに10枚以上は見つけて押し葉にしている。気になるので、先日、荒川土手で探してみた。しかし、土手工事の後、植生が変わり赤花のクローバーばかりになっていた。赤にも四つ葉はあるが形が悪い。白花の普通のクローバーが群生している場所も残っているが、その場所では過去に見つけたことがなく、いくら探しても見つからなかった。

昨日の目の検診のこともあり、見つからないのは視力の衰えの所為ではと気になった。それで、今日は自然公園で探してみた。自然公園でも今まで見つけたことはないので、期待はしなかった。母がお茶を飲んでいる間の10分程、探してみると1枚見つかった。今回の四つ葉のクローバーは最初に始めて見つけた時と同じくらい嬉しかった。これで、生き残れそうな予感がした。

私が最初に四つ葉のクローバーを見つけたのは絵描きに転向して2年目の春だった。絵は描いてもすぐに金になる訳ではない。毎日、制作の合間に荒川の岩渕水門へ出かけ、酒を飲みながら荒川を眺めていた。そんなある日の午後、土手を上っていると目前に四つ葉のクローバーがあった。別段、四つ葉を探していた訳ではなかったが、良いことが起きそうな予感がした。

その年の秋、青山で始めての個展をした。四つ葉のクローバーのおかげか、絵は売れ、新しい仕事も舞い込んだ。そして、何とか絵で収入を得られるようになった。それ以来、毎年、四つ葉のクローバーを探すのが春の行事になった。