都会の自然で人のエゴイズムを見せつけらる 2005年5月22日
暑いのか、涼しいのか分からない日曜だ。家を出る時はどんよりと曇っていて涼しく感じたが、自然公園に着く頃は薄日が射して蒸し暑くなった。
先日から雛を育てていたカルガモは、今朝方、残りの雛3羽を野良猫にやられてしまった。大きな池と浅い沼地の間の陸地を移動している時にやられたようだ。雛を探す親カモの鳴き声が哀れだ。完全な自然なら、自然の摂理として受け入れる他ないが、これは都会にある小さな自然公園での人災である。
いっそのこと、住宅密集地での子育ての方が、人目が行き届いて、こんな悲劇にならなかったのかもしれない。雛が育つのを楽しみにしていた人達は、辛いことだと顔を曇らせていた。
園内では卯木の花が満開で、無数のマルハナバチが花粉を集めていた。
ミツバチの最大種で1㎝程の真っ黒の丸々した体が飛ぶ様はユーモラスで可愛い。ミツバチの種類であるが、蜜は集めず花粉だけを集める。幼虫は垣根や屋根の竹や茅の中空の中に産み付けられ、母バチ単独で子育てをする。完成した古民家屋根の茅の軸は格好の住みかになっている。
受粉が大変上手なハチなので、イチゴ農家は西洋マルハナバチの養殖種をオランダから高額で輸入して使っている。昔は受粉が不十分でいびつな不良品が大量に出たが、最近はこのハチのおかげて粒が綺麗なイチゴばかりになった。ただ、西洋マルハナバチがハウス外へ逃げて自然繁殖し、日本種を圧迫していることが問題になっている。
マルハナバチは大変おとなしく人を刺すことはない。しかし、スズメバチと誤解する人が多く、管理事務所には連日、駆除しろと怒鳴り込む人がいて、係員は困惑していた。
今日も棒で叩き落とそうとしている人がいたので、おとなしい役に立つハチですよと注意したが、怪訝な顔をされた。都会の中の自然は安らぎであるが、同時に人のエゴイズムを見せつけられ憂鬱の種でもある。
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