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2007年1月10日 (水)

思い出せない歌手の名 2005年6月17日

母は同年齢の老人達と比べると大変元気だが、最近、夕暮れになると強い倦怠感に捕われる。肝臓ガンの手術をしているので、いよいよ再発かとドキッとする。93才の年齢では何が起きてもしかたがない。しかし、たった一人の家族を失うのは辛い。

今日は昼食を終えてから、プリンターのインクと文具を買いに池袋へ行った。
いつ行っても、サンシャイン通りは若者達で混雑している。東急ハンズで封筒を買い、すぐにピックパソコン館へ寄った。100人に1人、買い物が無料になるサービスをしているので、こちらもひどく混んでいた。

インクと用紙を手に、レジ前の行列でボーッと考え事をしていると、後ろの男が、「でぃおうぞぉ」と言った。一瞬何のことか分からなかったが、どうやら男は「どーぞ」と、私をせかすように皮肉を込めて言ったようだ。
慌てて奥のレジを見ると、男店員が手を振っている。それも手の平を肩のあたりで、オカマぽく振っている。渋谷ハチ公前のデート待ち合わせじゃあるまいし、男なら声を出して「こちらへどうぞ」しっかり呼べ、と腹が立った。

買い物を終えてからしばらく「でぃおうぞぉ」の語感を思い返していた。その喋り口は誰かに似ている。確か「蠍座の女」を歌っていた歌手だが、どうしても名前が思い出せない。帰りの埼京線の中でも一生懸命考えたが、思い出せなかった。

北赤羽に着き、川沿いの遊歩道を家へ歩いた。
堤防上の手摺りに張り紙があった。「タカラダニが大発生していますので気を付けて下さい。赤い小さな人畜無害のダニでですが、都に駆除をお願いしてあります」とある。
私は頻繁に通っているが、タカラダニが大発生している光景など見たことがない。第一、この種のダニは、生態系の底辺を支えている大切な生物だ。殺虫剤で皆殺しにしたら、本当に有害な生物の大発生を招いたりする。何と不寛容な、と憤慨していると突然、思い出せなかった歌手は美川憲一だと分かった。
ダニから彼を連想したわけではない。記憶を司る海馬辺りに怒りの刺激が伝わって押し出されるように名前が脳裏を過ったようだ。有名歌手の名を思い出せないとは、私も老いたようだ。

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