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2007年2月 5日 (月)

ビロードモウズイカの奇跡。2005年11月17日

今朝は8度まで下がった。先日、カーテンの裾を伸ばして床面との隙間をなくした効果で、室内は20度を保っている。おかげで、母はストーブなしで過ごしている。

先日兵庫で、ど根性大根のことが話題になっていた。
車道脇のアスファルト路面を押し広げ、逞しく成長していく大根を近隣の人たちは大切に見守っていたのだが、心ない者に折られてしまった。見守っていた人たちの落胆は気の毒なくらいだった。

この気持ちはよくわかる。以前、写真日記に紹介した自然公園のビロードモウズイカが、月曜日、先端から50センチ程の位置で折られていた。ちょうど先端のミトンの形をしていた部分に花が咲きはじめていたので、持ち帰ろうとした者がいたようだ。しかし、この茎はかなり繊維が丈夫で、ねじ切ることは出来ず、犯人は諦めたようだ。
ビロードモウズイカは折れたままブラブラ風に揺れていた。花が咲くのを楽しみにしていた人たちは一様に立ち止まり、可哀想なことをすると怒っていた。

それから30分程公園で過ごしての帰り、奇跡が起きていた。折られた茎が真っすぐに戻っているのである。それは夢のようで母も私も我が目を疑ってしまった。どうやら、わずかな間に自力で茎を持ち上げ直立させてしまったようだ。咲き始めた先端のつぼみをどうしても開花させようとの意地がビロードモウズイカにあったのだろう。帰り道、母は逆境を跳ね返す逞しさは素晴らしいと、繰り返し話していた。

そして今日、ビロードモウズイカは元気に花を咲かせていた。
しかし、公園に自生して、一個だけ大きな実をつけていたカリンは、今日見ると実をもがれていた。
昔、田舎では、柿の木やリンゴの木は全部実をとらず、野鳥のために数個を残していた。そのような心優しさが失われるのはとても寂しい。

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