男は頑張っても熟年離婚。2005年11月22日
9日に買ったばかりのマウスが壊れた。スクロール用のホイールが抵抗感なく回転して画面がスクロールしない。ホイールの回転をセンサーに伝える部品が外れたようだ。買った秋葉館へ電話すると代金を返すと言う。それで今日、それを持ち込み代金を貰った。代わりのマウスは古い予備が3個ある。帰宅して古いのをセットした。手に馴染んだマウスは使いやすい。
秋葉原を歩くのは楽しい。しかし、すぐに母が通所リハビリから帰宅する時間が迫った。
午後の京浜東北線下りは空いていた。隣席の初老の男性の服からナフタリンが漂う。今朝は冷えたので、慌ててしまっていたセーターを取り出したのだろう。面倒見の良い奥さんがいれば初秋に取り出して陰干ししてくれるのだが、そうではないようだ。男性はパソコンの入門書を読んでいた。生真面目な人らしく、ページには丹念に赤鉛筆が入れてある。定年退職して、粗大ゴミになり家族に嫌われないように頑張っているのだろう。
ふいに、先日見た「キューポラのある街」を思い出した。あの昭和30年代、なけなしの金で飲んだくれ、理不尽に暴れる落第父親でも、妻から粗末に三行半を突きつけられることはなかった。もし、きちんと稼ぎを家に入れているなら、どんなに理不尽な父親でも家族から尊敬された。しかし、今は違う。愛してると言わない、会話がない、それだけで熟年離婚の理由になってしまう。
傍らの座席には乳母車を持ち込んだ若いお母さんがいた。
臨席の70代のおばあさんが乳母車の赤ちゃんをあやしながらお母さんに話しかけている。
「あーら、女の子なの。女の子は可愛いわ。私も欲しかったけど男ばっかり。3人目こそ女の子を生もうと頑張ったけど、やっぱり男だったわ。」
それまでスムースに会話が弾んでいたのに、若いお母さんは返事に窮してしまった。私は、どう頑張っていたのか、想像して可笑しかった。
頑張るおばあさんは次の田端でそそくさと下車して行った。女性は年を取っても元気である。
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