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2007年2月 5日 (月)

日々是好日 2005年11月9日

母の夕食を済ませてベットに就かせ、その後、のんびりとビデオ映画を見た。新調したテレビ画面は美しく音も良い。しかし、いつの間にか疲れが出て10分程眠ってしまった。目覚めるとドーバー海峡の海辺のシーンが映っていた。第二次大戦を背景にしたドラマであるが、海の波音は平和で心安らぐ。

私は1歳の誕生日前から10年間、夜昼無く波音を聞いて育った。日頃はまったく海のことは思い出さないが、そのようなきっかけで波音や潮の香りが蘇る。この平和感はとても良い。

急に秋めいてイチョウの紅葉が美しい。緑道公園の明るい木漏れ日の中、落ち葉を踏みしめて歩く感触も素晴らしい。ほんの少し生活にゆとりが出たことや、パソコンを新調するといった小さな希望が気持を明るくしている。お陰で、相対的に母の体調のことを忘れられる。人生は悪いことがあれば良いこともあると信じることができる。上り下りを繰り返しながらフェードアウトする人生も捨てたものではない。

昨日、母は昼寝から起きる時、ベットの縁で手を滑らせ転んだ、私を呼ぶ声に気付き事なきを得たが、後でぞっとした。直ぐに小型のカーペットを3枚買い求め、滑りそうな場所にしっかり固定した。老人と暮らしている以上そのようなリスクは避けられない。要は必要以上に悩まないことかもしれない。

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