とても面白い科学博物館。2006年1月11日
寒さは厳しいが、確実に日が長くなっている。現実の季節変化を思うと、正月は1月29日の旧暦元旦の方がふさわしい。緑道公園の桜の花芽も心持ち膨らんだ。風は冷たいが清新である。
去年受けた注文絵の制作に入っている。できればこの作品で新境地を開きたい。しかし、新しいことをやるのは難しい。作品は前へ進めず停滞したままだ。気分を変えようと、午後、上野公園へ出かけた。まず西洋美術館を訪ねたが、改装のため臨時休館中。仕方なく、歩いて行くと科学博物館の「パール展」のポスターが目に入った。
料金1300円を払って科学博物館新館地下の会場へ行くと意外に混んでいた。時間がないので、人が立て込んでいる展示は飛ばして行くと金地に真珠をちりばめたロシア正教のイコンがあった。繊細でなかなかの良品。他にネパール王家の宝冠やヨーロッパ貴族の装身具もあり見応えがあった。
昔、私は貴金属の仕事をしていたので、真珠についても詳しい。しかし、展示物のコンク真珠については知らなかった。これは大型の巻貝が偶然に作る真珠で、真珠層はなく貝殻の素地が丸く形成されたもので炎のような時模様がある。色はオレンジからピンクと多様。このコンク真珠は、昔は珍重されていたがいつの間にか人気が無くなった。しかし、近年、再評価されたようだ。
「パール展」はざっと見て、常設展示へ移動した。
新館は建て替え前の防虫剤の匂いが漂う博物館らしさは消えて、明るく今風である。その所為か、若い女性の見物客が多い。展示の仕方も工夫されていて、ミンククジラの腸に寄生する鉤虫の大群の標本など、愛好家には興味深いだろう。
私は大好きな菌類の標本に見とれた。そこで、去年、桜の枯木から採集した猿の腰掛け状のオレンジ色のキノコがヒイロタケであることを知った。ちなみに、博物館の標本より、私のヒイロタケの方が立派であった。
2階の科学技術の歩みのコーナーには本物の零戦が展示してあった。
その他、江戸時代の観測器や時計を見ていると、明治維新後の我が国の飛躍は、しっかりした基礎科学の上に出来たことがよく分かる。他にも見たいものばかりだったが時間が無くなり、帰路についた。再び、ゆっくり訪れたい。
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